■この記事のポイント
・再発・難治性多発性骨髄腫適応として、免疫系にも作用するエロツズマブが国内にて承認申請された。
・米国では、11月末に承認されたばかり。日本では希少疾病用医薬品指定済。
・多発性骨髄腫の治療バリエーションの追加のために、早期承認が求められる。


12月24日、ブリストル・マイヤーズは、がん免疫療法薬「エロツズマブ」について、再発又は難治性の多発性骨髄腫の適応で、レナリドミド(商品名レブラミド)およびデキサメタゾンとの併用療法として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを発表しました。

今回の申請は、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に対して、エロツズマブとレブラミドおよびデキサメタゾンとの三剤併用(E-Rd)群と、レブラミドとデキサメタゾンのみの二剤併用(Rd)群とを比較するランダム化第3相臨床試験であるELOQUENT-2 (CA204-004)試験のデータを根拠としていとのことです。

詳細はこちらをご覧ください。
再発多発性骨髄腫 分子標的薬エロツズマブ 死亡リスクを30%低下 ASCO2015(オンコロニュース2015/6/5)

エロツズマブは、髄腫細胞(抗体産生能を持つ形質細胞ががん化した細胞)やナチュラルキラー(Natural Killer: NK)細胞(体内に侵入あるいは発生した異物を攻撃・除去する免疫細胞)の細胞表面に発現しているSLAMF7(エスラムエフセブン)というタンパクへ特異的に結合することにより、抗腫瘍効果を発揮する薬剤です。

詳細はこちらをご覧ください。
オンコロ辞典:SLAMF7抗体(えすらむえふせぶん こうたい)

エロツズマブは、「Empliciti」という製品名で、2015年11月30日、FDAより、レナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用療法として、1から3種類の前治療歴を有する多発性骨髄腫患者に対する治療薬として承認されたがん免疫療法薬です。
治療歴を有す多発性骨髄腫 SLAMF抗体エロツズマブ 米国承認(オンコロニュース2015/12/2)

国内では、2015年11月19日に再発又は難治性の多発性骨髄腫を予定される効能又は効果として希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けています。
再発又は難治性の多発性骨髄腫 エロツズマブ 希少疾病用医薬品指定(オンコロニュース2015/11/24)

多発性骨髄腫は、血液がんの一つで、体内に侵入したウイルスや細菌などの異物を排除する抗体を産生する形質細胞という血液細胞ががん化したものです。病気が進行するまで症状が現れることが少なく、早期診断が難しい病気としても知られています。多発性骨髄腫は未だ完治を望むことが難しく、更に治療法の選択肢が限られていることから、アンメット・メディカル・ニーズの高い疾患の一つです。

なお、現在、無治療の多発性骨髄腫の第2相臨床試験が実施されています。
新しく診断された多発性骨髄腫患者を対象としたエロツズマブの臨床試験

記事:可知 健太


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