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免疫チェックポイント阻害薬
[公開日] 2015.06.05[最終更新日] 2015.06.05
免疫チェックポイント阻害薬とは「免疫細胞での1種であるT細胞が活性化することを制御・抑制する仕組み」を阻害する薬剤のことをいいます。
もともとは免疫システムが暴走するのを防ぐための機能として免疫チェックポイントの研究が進んでいました。
通常は、抗原提示細胞(細菌などの異物を食べて、敵である認識した場合は、他の免疫細胞に敵であることを伝達する細胞)がT細胞(細菌などの異物を攻撃する細胞)を制御するための機能です。ただし、がん細胞もこれと同じ機能を有しており、がん細胞は免疫細胞から攻撃されないということになります。
このため、免疫療法は手術、放射線治療、薬剤治療に次ぐ4番手になり得ると、昔から期待されていましたが、いくら免疫力を高めるという治療アプローチをしてもなかなかよい効果を発揮できていませんでした。
この免疫制御に関わるタンパク質がわかり、それを抑制することによりがん細胞に対してT細胞が攻撃できるようにするという薬剤を免疫チェックポイント阻害薬といいます。2015年の米国腫瘍学会にて、そのポテンシャルが明らかになり分子標的薬以来の1つのターニングポイントになっています。
この免疫制御系に関わる主なタンパク質がPD-1(ピーディーワン)やPD-L1(ピーディーエルワン)であり、そのメカニズムを簡単に示します。
また、この免疫制御系に関わるもう1つの主なタンパク質であるCTLA-4(しーてぃーえるえーふぉー)についてもメカニズムを簡単に示します。こちらのタンパク質は腫瘍細胞ではなく抗原提示細胞の関わりが大きいため、副作用の発現が問題視されています。ただし、PD-1とPD-L1とはメカニズムが異なるため、PD-1阻害薬やPD-L1阻害薬とCTLA-4阻害薬との複合免疫療法の臨床試験が実施されています。
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