免疫チェックポイント阻害薬とは(免疫チェックポイント阻害剤とは)「免疫細胞での1種であるT細胞が活性化することを制御・抑制する仕組み」を阻害する薬剤のことをいいます。

もともとは免疫システムが暴走するのを防ぐための機能として免疫チェックポイントの研究がすすんでいました。
通常は、抗原提示細胞(細菌などの異物を食べて、敵である認識した場合は、他の免疫細胞に敵であることを伝達する細胞)がT細胞(細菌などの異物を攻撃する細胞)を制御するための機能です。ただし、がん細胞もこれと同じ機能を有しており、がん細胞は免疫細胞から攻撃されないってことになります。

このため、免疫療法は手術、放射線治療、薬剤治療に次ぐ4番手になり得ると、昔から期待されていましたが、いくら免疫力を高めるという治療アプローチをしてもなかなかよい効果を発揮できていませんでした。

この免疫制御に関わるタンパク質がわかり、それを抑制することによりがん細胞に対してT細胞が攻撃できるようにするという薬剤を免疫チェックポイント阻害薬といいます。2015年の米国腫瘍学会にて、そのポテンシャルが明らかになり分子標的薬以来の1つのターニングポイントになっています。

この免疫制御系に関わる主なタンパク質がPD-1(ピーディーワン)やPD-L1(ピーディーエルワン)であり、そのメカニズムを簡単に示します。

PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬

また、この免疫制御系に関わるもう1つの主なタンパク質であるCTLA-4(しーてぃーえるえーふぉー)についてもメカニズムを簡単に示します。こちらのタンパク質は腫瘍細胞ではなく抗原提示細胞の関わりが大きいため、副作用の発現が問題視されています。ただし、PD-1とPD-L1とはメカニズムが異なるため、PD-1阻害薬やPD-L1阻害薬とCTLA-4阻害薬との複合免疫療法の臨床試験が実施されています。

CTLA-4阻害薬

価格に対する懸念点

一方、これらの薬剤は高価であるというのが難点です。例えば国内で既に発売しているオプジーボについては薬価が20㎎で15万円となっており、これを体重1㎏に対して2㎎で3週間に一度投与することになります。つまり、体重1㎏あたり1.5万円ということになるため、50㎏の方であれば3週間に1度75万円コストがかかることになります。

オプジーボ薬価

日本は国民保険制度があり、更に高額医療制度もありますので、1か月あたり10万円程度の負担に圧縮されますが、これを負担するのは税金となるわけですので、議論されているところでもあります。

その他の薬剤

参考までに2015年5月現在に発売・開発されている薬剤を以下に示します。なお、日本では

PD-1阻害薬:ニボルマブ(オプジーボ)、ペムブロリズマブ(キイトルーダ/キートルーダダ)、
PD-L1阻害薬:MEDI4736(デュルバルマブ)、MPDL3280A(アテゾリズマブ)、アベルマブ(バベンチオ)
CTLA-1阻害薬:イピリムマブ(ヤーボイ)、トレメリムマブ
KIR阻害薬:リルルマブ
LAG3阻害薬:BMS986016
CD137阻害薬:ウレルマブ
CCR4阻害薬:マガムリズマブ
参考)科学評論社 腫瘍内科2015年5月号


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