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局所進行・転移性固形がんに対するEGFR/CD28二重特異性抗体REGN7075+リブタヨ、マイクロサテライト安定性大腸がんで有効性を示す

この記事の3つのポイント
・局所進行・転移性固形がんを対象とした第1/2相試験
・EGFR/CD28を標的とする二重特異性抗体であるREGN7075+抗PD-1抗体薬であるリブタヨ有効性安全性を検討
・マイクロサテライト安定性大腸がんで有効性を示し、容量拡大パートの開始が計画中

2024年5月31日から6月4日、米国・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会2024(ASCO 2024)にて、局所進行・転移性固形がんに対するEGFR/CD28を標的とする二重特異性抗体であるREGN7075+抗PD-1抗体薬であるリブタヨ(一般名:セミプリマブ併用療法の有効性、安全性を比較検証した第1/2相試験(NCT04626635)の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのNeil Howard Segal氏らにより公表された。

本試験は、局所進行・転移性固形がん患者に対し、3週を1サイクルとしてREGN7075+リブタヨ併用療法を投与し、主要評価項目として安全性、忍容性を検証した第1/2相試験である。

本試験に登録された94人の患者背景は、年齢中央値が55歳、性別は女性が48.9%、また最も多いがん種はマイクロサテライト安定性(MSS)大腸がんで65%を占めていた。

REGN7075の有効用量 (≥ 100 mg) で治療された肝転移のないMSS大腸がんにおける観的奏効率ORR)は20%、病勢コントロール率DCR)80%で、奏効の内訳は完全奏効(CR)1人、部分奏効(PR)2人、病勢安定(SD)9人であった。主要評価項目である用量制限毒性DLT)は確認されず、最大耐用量(MTD)は未到達であった。最も多くの患者で確認されたグレード1もしくは2の治療関連有害事象(TRAE)はインフュージョンリアクション(IRR)であった。

以上の第1/2相試験の結果よりNeil Howard Segal氏らは「REGN7075は、MSS大腸がんにおいて臨床的抗腫瘍効果を示した最初の免疫療法です。EGFR発現固形がんにおける用量拡大パートの開始が計画されています」と結論を述べた。

参照元:
A phase 1/2 study of REGN7075 in combination with cemiplimab (cemi) in patients (pts) with advanced solid tumors: Efficacy and safety results.(ASCO 2024)

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