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FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル、腫瘍遺伝子変異量高スコアを有する固形がんに対するキイトルーダの適応判定補助として承認を取得

11月16日、中外製薬株式会社は遺伝子変異解析プログラムである「FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル」について、腫瘍遺伝子変異量高スコア(TMB-High:tumor mutational burden-high)を有する進行・再発固形がんに対するキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)のコンパニオン診断薬として11月15日に厚生労働省より承認を取得したと発表した。

TMBは腫瘍細胞に生じた遺伝子変異の量であり、ゲノムコーディング領域1メガ塩基あたりの非同義体細胞遺伝子変異数として示される。FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルでは、10変異/メガ塩基以上である状態をTMB-Highと定義している。TMB-Highの腫瘍では、ネオアンチゲンがより多く誘導され、免疫チェックポイント阻害薬に対して良好な反応を示す可能性があると言われている。

代表取締役社長CEOの奥田修氏は「今回の承認により、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルとして、NTRK融合遺伝子、高頻度マイクロサテライト不安定性に続く3番目の臓器横断的なバイオマーカーであるTMBの測定に基づいた治療提案が可能になりました」と話すとともに、「一度の検査で多くのがん遺伝子変異を測定することで治療方針決定支援を行い、患者さんの適切な治療へのアクセスが促進されるよう、本検査の適正使用に努めてまいります」と述べている。

今回の承認により、TMB-Highを有する進行・再発の固形がんの適応判定補助として、FoundationOne CDxがんゲノムプロファイルを利用することが出来るようになった。キイトルーダを販売するMSD株式会社は同剤について、2021年3月に「がん化学療法後に増悪した進行・再発のTMB-Highを有する固形がん」に対する承認申請を行っている。

FoundationOne CDxがんゲノムプロファイルとは
FoundationOne CDxがんゲノムプロファイルは、次世代シークエンサーを用いた包括的ながん関連遺伝子解析システム。固形がんの組織から得られたDNAを解析し、置換、挿入、欠失、コピー数以上や再編成などの変異を検出する。また、バイオマーカーとしてマイクロサテライト不安定性(MSI)の判定や腫瘍遺伝子変異量(TMB)の算出を行う。米ファウンデーション・メディシン社によって開発された。

参照元:
中外製薬株式会社 プレスリリース

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