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進行性小児悪性腫瘍に対するリボシクリブ+トポテカン+テモゾロミド、リボシクリブ+エベロリムス併用療法、病勢安定率14.3%と41.2%を示す

この記事の3つのポイント
・進行性小児悪性腫瘍患者が対象の第1/2相試験
・リボシクリブ+トポテカン+テモゾロミド併用療法とリボシクリブ+エベロリムス併用療法の有効性安全性を検証
・病勢安定率はリボシクリブ+トポテカン+テモゾロミドで14.3%、リボシクリブ+エベロリムスで41.2%を示した

2021年8月4日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて進行性小児悪性腫瘍を対象にCDK4/6阻害薬リボシクリブ+トポテカン+テモゾロミド、リボシクリブ+エベロリムス併用療法の有効性、安全性を比較検証した第1/2相のESMART試験(NCT02813135)の結果がHospital Niño JesúsのFrancisco Bautista氏らにより公表された。

ESMART試験は進行性小児悪性腫瘍の患者(N=32人)対してトポテカン+テモゾロミドを5日間投与した後、1日1回リボシクリブ単剤を16日間投与する群(arm A、N=14人)、28日を1サイクルとして1日1回エベロリムスを21日間、1日1回リボシクリブ単剤を16日間投与する群(arm B)に分け、主要評価項目として客観的奏効率ORR)、病勢進行までの期間(TTP)を検証した第1/2相試験である。

第2相試験推奨用量(RPIID)は、arm A群でリボシクリブ1日1回260mg/m2、トポテカン1日1回0.5mg/m2、テモゾロミド1日1回100mg/m2、arm B群でリボシクリブ1日1回175mg/m2、エベロリムス1日1回2.5mg/m2であった。

本試験に登録された患児の悪性腫瘍の種類は肉腫(サルコーマ)が43.8%(N=14人)、脳腫瘍が40.6%(N=13人)であった。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

arm A群における病勢安定(SD)率は14.3%(N=2人)、arm B群における病勢安定(SD)率は41.2%(N=7人)を示した。一方の安全性として、最も多くの患者で確認された有害事象(AE)は白血球減少症好中球減少症リンパ球減少症であった。

以上の第1/2相のESMART試験の結果よりFrancisco Bautista氏らは「進行性小児悪性腫瘍に対するCDK4/6阻害薬リボシクリブ+トポテカン+テモゾロミド、リボシクリブ+エベロリムス併用療法の忍容性は問題ありませんでした」と結論を述べている。

Phase I or II Study of Ribociclib in Combination With Topotecan-Temozolomide or Everolimus in Children With Advanced Malignancies: Arms A and B of the AcSé-ESMART Trial(J Clin Oncol. 2021 Aug 4;JCO2101152. doi: 10.1200/JCO.21.01152.)

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