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国内3つ目のCAR-T細胞製品ブレヤンジ、再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫と濾胞性リンパ腫の適応で承認了承

2月17日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会再生医療等製品・生物由来技術部会は、セルジーン株式会社が開発した再生医療等製品ブレヤンジ静注(一般名:リソカブタゲン マラルユーセル、以下ブレヤンジ)の承認を了承した。

ブレヤンジはCD19を標的とするCAR-T療法用細胞製品。キムリア(ノバルティスファーマ株式会社)、イエスカルタ(第一三共株式会社)に続き、日本において3製品目のCAR-T細胞製品となる。

ブレヤンジの適応は、「再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫」と「再発または難治性の濾胞性リンパ腫」。先行の2製品は、濾胞性リンパ腫に対する適応を取得していないため、国内で初めての適応となる。また、B細胞リンパ腫では「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」「原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫」「高悪性度B細胞リンパ腫」「形質転換低悪性度非ホジキンリンパ腫」の4種をカバーしており、これは3製品の中で最も広い。

投与方法も先行の2製品と異なる。ブレヤンジは患者の末梢由来のCD4陽性T細胞とCD8陽性T細胞にCD18を特異的に認識するCARを導入し、培養する。CD4陽性細胞とCD8陽性細胞はそれぞれのバイアルに入っており、それぞれの細胞数が1:1になるようにCD8陽性細胞、CD4陽性細胞の順で投与する。余った細胞は廃棄する。

なお、承認条件として、適切な医療施設、十分な知識と経験を持つ医師のもとで同製品を使用することと、全例調査を実施して適正使用に必要な措置を講じることが記されている。

ブレヤンジの正式承認は3月頃の予定。国外においては米国で2021年2月15日にFDAにて承認されている。

CAR-T療法とは
CAR-T療法とは、CAR-T細胞製品を用いたがん免疫療法の一種。患者個人のT細胞を取り出し、遺伝子を改変し、キメラ抗原受容体(CAR)発現させた細胞を作る。その後改変T細胞を患者の体内に戻すことでがん細胞を攻撃する。

参照元:
厚生労働省 薬事・食品衛生審議会(再生医療等製品・生物由来技術部会)

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