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厚労省第二部会 頭頸部がんオプジーボ、多発性骨髄腫ニンラーロ、PTCLムンデシン 了承

[公開日] 2017.03.03[最終更新日] 2017.03.03

目次

3月3日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は、再発・転移性 頭頸部がん適応として免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(商品名オプジーボ)、再発・難治性 多発性骨髄腫適応としてイキサゾミブ(商品名ニンラーロ)および再発・難治性 末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)適応としてフォロデシン(商品名ムンデシン)製造販売承認を審議し、了承した。これらの薬剤は早ければ3月下旬から4月に承認される可能性がある。その他、「BRCA遺伝子変異陽性の卵巣がん」の適応にてPARP阻害薬のオラパリブ(リムパーザ)、「再発または難治性の急性リンパ性白血病」の適応にて抗体薬物複合体(ADC)のイノツズマブ オゾガマイシンが希少疾病医薬品として了承した。

頭頸部がんにオプジーボが登場

「再発または遠隔転移を有する頭頸部がん」の効能追加で了承されたオプジーボ。既に悪性黒色腫、非小細胞肺がん、ホジキンリンパ腫、腎細胞がんにて適応されている免疫チェックポイント阻害薬PD-1抗体である。米国では2016年11月10日に承認されている。 有効性については以下を参照 図5 図4 プラチナ製剤治療歴を有す頭頸部扁平上皮がん オプジーボの有効性を示唆 ASCO2016(オンコロニュース2016/06/18)より抜粋 また、現在、同剤は頭頸部がん患者層で拡大治験中でもあり、以下を参照。 拡大治験がひっそりと開始していた・・・ ~ROS1陽生非小細胞肺がん、尿路上皮がん(膀胱がん等)、頭頸部がん、悪性胸膜中皮腫~

多発性骨髄腫 二番手 第二世代プロテアソーム阻害薬 ニンラーロ登場 ~経口のみの治療が可能に~

「再発または難治性の多発性骨髄腫」の適応にて新有効成分含有医薬品了承されたニンラーロ。経口製剤の第二世代プロテアソーム阻害薬であり、既存薬のレナリドミド(商品名レブラミド)とデキサメタゾンの3剤併用で投与する。先に承認されている第二世代プロテアソーム阻害薬であるカルフィルゾミブ(商品名カイプロリス)は注射製剤となり、これにより経口薬のみで多発性骨髄腫の治療が可能となる。 関連:多発性骨髄腫 第二世代プロテアソーム阻害剤カルフィルゾミブ(カイプロリス) 承認取得 / イキサゾミブ 承認申請(オンコロニュース2016/7/11)

末梢性T細胞リンパ腫 PNP阻害薬ムンデシン登場

「再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫」の適応にて新有効成分含有医薬品了承されたムンデシン。プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)阻害薬となる。PNP阻害薬はT細胞の増殖を選択的に抑制すると考えられ、T細胞系の血液がんに対する有効性が期待されていた。

BRCA遺伝子変異陽性の卵巣がん適応にてオラパリブ(リムパーザ)、急性リンパ性白血病適応にてイノツズマブ オゾガマイシンがオーファン指定了承

「BRCA遺伝子変異陽性の卵巣がん」の適応にてPARP阻害薬のオラパリブ(リムパーザ)、「再発または難治性の急性リンパ性白血病」の適応にて抗体薬物複合体(ADC)のイノツズマブ オゾガマイシンが希少疾病医薬品として了承された。 オラパリブ(リムパーザ)はDNA一本鎖に関わる酵素であるPARPを阻害し、DNA修復機構が破たんしたBRCA遺伝子変異陽性患者に対して効果があるとされ、米国では既に承認されている。現在、同剤は拡大治験中となる。 イノツズマブ オゾガマイシンはCD22抗体に細胞障害性物質であるオゾガマイシンを結合した抗体薬物複合体となる。米ファイザー社は2月21日、「再発または難治性の前駆B細胞性急性リンパ性白血病」にて承認申請をFDAに提出・受理されていると発表しており、米国での承認目標時期は2017年8月としている。日本では未定となる。 記事:可知 健太
ニュース PARP阻害薬

3Hメディソリューション株式会社 執行役員 可知 健太

オンコロジー領域の臨床開発に携わった後、2015年にがん情報サイト「オンコロ」を立ち上げ、2018年に希少疾患情報サイト「レアズ」を立ち上げる。一方で、治験のプロジェクトマネジメント業務、臨床試験支援システム、医療機器プログラム開発、リアルワールドデータネットワーク網の構築等のコンサルテーションに従事。理学修士。

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