非小細胞肺がん FDA(米国) 免疫チェックポイント阻害薬キイトルーダ一次治療にて承認
[公開日]2016.10.25 [最終更新日]2017.11.13 [タグの追加] 2017/11/13

10月25日、米Merck社は、アメリカ食品医薬品局(FDA)が免疫チェックポイント阻害薬PD-1抗体ペムブロリズマブ(キートルーダ)が、「PD-L1高発現(TPS 50%以上)の転移性非小細胞肺がんの一次治療(EGFR/ALK陽性除く)」にて承認したと発表した。
米国において、キイトルーダは、2015年10月2日に「2次治療以降のPD-L1陽性(1%≤)非小細胞肺がん患者」として承認されていた。
一方、進行非小細胞肺癌患者(EGFR/ALK陽性患者を除く)の一次治療を対象とした第3相臨床試験(KEYNOTE-024試験)の結果、主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)、副次的評価項目である全生存期間(OS)にて、良好な成績が報告された。この結果は、先日、デンマーク コペンハーゲンにて開催された欧州臨床腫瘍学会にて発表されるとともに、ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに掲載された。
非小細胞肺がん 化学療法に比べペムブロリズマブ(キイトルーダ)が初回治療でリスク半減 NEJM(オンコロニュース20160301)
この結果を受け、世界的に用いられている肺がんの診療ガイドラインであるNCCNガイドラインは早くもPD-L1強陽性、EGFR/ALK陰性非小細胞癌の一次治療ではキイトルーダのみがcategory 1として推奨しているが、ガイドラインどおり使用できることになる。
なお、日本では2016年2月29日に、2次治療以降のPD-L1陽性(1%≤)非小細胞肺がん患者に対して標準治療ドセタキセルに対する優越性を示した第3相臨床試験(KEYNOTE-010試験)のデータによって承認申請がされ、現在審査中である。
また、偶然にも、本日、日本肺癌学会と日本肺がん患者連絡会(全国の肺がん患者会6団体の連絡会)は、連名にて「PD-1強陽性進行非小細胞肺癌に対する抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(キイトルーダ)の一次治療の早期承認の要望書」を塩崎 恭久 厚生労働大臣に提出ている。
日本肺癌学会×日本肺がん患者連絡会 キイトルーダの一次治療の早期承認を厚労省に要望書提出(オンコロニュース20161025)
記事:可知 健太
この記事に利益相反はありません。
人気記事
- 【体験談】シングルマザーで乳がんステージ4~“今”を生きる~
- 少なくともPD-L1発現率1%以上の局所進行性又は転移性非小細胞肺がん患者に対する一次治療としてのキイトルーダ単剤療法、主要評価項目である全生存期間(OS)を統計学有意に延長する
- 治験特集『国立がん研究センター東病院の治験実施体制』 VOL.1
- 日本初、がん種をこえた承認申請、キイトルーダがマイクロサテライト性不安定性がんに対する承認申請
- 免疫チェックポイント阻害薬の全生存期間(OS)を予測する因子は、全奏効率(ORR)でなく6ヶ月無増悪生存率(PFS)
- 治験を探すがん患者・家族に朗報、治験情報へのアクセスが清流化
- 【体験談】希少がんで若年性がん~元気になって恩返ししたい~
- 【5/26@押上】オンコロ The 3rd Anniversary Seminar “Make it TRUE !! がん体験者の主張 Vol.3” 開催決定!
- 【3月25日に重要な訂正しました】Oncotype DX乳がん検査、約10,000人が参加した臨床試験結果が近日公表予定
- 2018年3月30日にアップデートされた拡大治験情報 ~悪性胸膜中皮腫対象オプジーボの拡大治験が開始~
がんの臨床試験(治験)をお探しの方へがん情報サイト「オンコロ」ではがんの臨床試験(治験)情報を掲載しています。 掲載中の臨床試験(治験)情報はこちら » 臨床試験(治験)とは » |
オンコロリサーチ患者さんやそのご家族のがんに関わるあらゆる声を調査(リサーチ)するための調査を実施しております。 実施中の調査一覧はこちら » |
無料メルマガ配信中メルマガ独自のコラム、臨床試験情報、最新情報を毎週配信しています。ぜひご登録ください。 メルマガ登録はこちら » |