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皮膚T細胞リンパ腫とブレンツキシマブベドチンについて
2016年12月3日の第58回米国血液学会(American Society of Hematology)年次総会において、皮膚T細胞リンパ腫に対するブレンツキシマブベドチン(アドセトリス)の効果を検討した臨床第3相試験であるALCANZA試験の結果が発表されました。その結果は正直、
ヤバい
です。何がヤバいかって?それは、皮膚T細胞リンパ腫の標準療法であるメトトレキサートまたはベキサロテン群と比較してその有効性の高さを証明した初の薬がブレンツキシマブベドチン(アドセトリス)であるということです。
ALCANZA試験の結果によると、4ヶ月以上にわたる客観的奏効率はアドセトリス群56.3%に対してメトトレキサートまたはベキサロテン群は12.5%、無増悪生存期間の中央値はアドセトリス群16.7ヶ月に対してメトトレキサートまたはベキサロテン群は3.5ヶ月でした。
つまり、主要評価項目と副次評価項目の全ての項目においてアドセトリス群がメトトレキサートまたはベキサロテン群に対して統計学的に有意に優れていることが証明されたのです。これは
ヤバい
https://ash.confex.com/ash/2016
https://ash.confex.com/ash/2016
米国血液学会に参加された医療関係者の方々もこの試験結果に対する驚きを下記のようにTwitterで呟いています。
現在、国内におけるブレンツキシマブベドチン(アドセトリス)の効能効果は再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫もしくは未分化大細胞リンパ腫のみです。このALCANZA試験の結果を受け、皮膚T細胞リンパ腫への適応追加が早期になされることを期待します。
ブレンツキシマブベドチン(アドセトリス)の薬剤概要
jinaidou.jp
製品名
アドセトリス
一般名
ブレンツキシマブベドチン(brentuximabvedotin)
用法用量
ブレンツキシマブベドチンとして3週間に1回1.8mg/kg(体重)を点滴静注する
効能効果
・再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫など
・未定(再発又は難治性のCD30陽性の皮膚T細胞リンパ腫)
主な副作用
リンパ球減少症、好中球減少症、白血球減少症、末梢性感覚ニューロパチー、貧血、疲労、鼻咽頭炎、LDH増加、発疹、食欲減退、悪心、ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加、下痢、上気道感染
製造承認日
2014年4月
薬価
465,701円/1バイアル(50mg)
ブレンツキシマブベドチン(アドセトリス)の作用機序
slidesharecdn.com
CD30発現腫瘍細胞にブレンツキシマブベドチンが結合し、ブレンツキシマブベドチン-CD30複合体として細胞内に取り込まれた後、蛋白質分解反応によりMMAEが遊離する。遊離したMMAEがチューブリンに結合することで微小管形成を阻害し、細胞周期の停止とアポトーシスを誘導します。
ブレンツキシマブベドチン(アドセトリス)の最新文献
・2015年9月15日
Brentuximab vedotin and AVD followed by involved-site radiotherapy in early stage, unfavorable risk Hodgkin lymphoma.
・2015年3月19日
Brentuximab vedotin as consolidation therapy after autologous stem-cell transplantation in patients with Hodgkin’s lymphoma at risk of relapse or progression (AETHERA)
・2015年2月26日
Brentuximab vedotin demonstrates objective responses in a phase 2 study of relapsed/refractory DLBCL with variable CD30 expression.
・2015年2月19日
Durable remissions in a pivotal phase 2 study of brentuximab vedotin in relapsed or refractory Hodgkin lymphoma.
・2015年2月13日
PET-adapted sequential salvage therapy with brentuximab vedotin followed by augmented ifosamide, carboplatin, and etoposide for patients with relapsed and refractory Hodgkin’s lymphoma: a non-randomised, open-label, single-centre, phase 2 study.
ブレンツキシマブベドチン(アドセトリス)の口コミ
医師のコメント
その他医療関係者のコメント
ブレンツキシマブベドチン(アドセトリス)の治験情報
治験の概要
皮膚T細胞リンパ腫の患者に対してブレンツキシマブベドチンの容量をはじめとした安全性を検証したフェーズ1治験
治験の期限
2017年12月
参考資料
1)Brentuximab Vedotin Demonstrates Significantly Superior Clinical Outcomes in Patients with CD30-Expressing Cutaneous T Cell Lymphoma Versus Physician’s Choice (Methotrexate or Bexarotene): The Phase 3 Alcanza Study
2)ブレンツキシマブベドチン(アドセトリス)添付文書