腎細胞がんの検査
これまでのところ、腎細胞がんの診断に有効な腫瘍マーカーは見つかっておらず、超音波検査と画像診断を組み合わせて検査をします。
超音波検査(エコー検査)
身体の表面から超音波をあてて、跳ね返ってくる超音波を画像化することで、臓器の形状やがんの位置を調べるための検査です。
画像診断検査(CT/MRI検査)
腎臓がんの確定診断には、画像検査を使います。
造影CTはX線を使って体の断面を画像化する検査で、より病変部位を分かりやすくするために造影剤を使って詳しく検査をすることが一般的です。
一方MRI検査は、強い静磁場と電磁波を使って体の断面を画像化する検査です。CTのみでは診断がつかない場合や、腎障害やアレルギーなどの理由で造影剤が使えない症例に対して使われます。
病理学的検査
画像診断などの検査を実施後に更に細かい検査が必要な場合には、細い針を刺してがん組織の一部を取り、顕微鏡で観察します(針生検)。
骨シンチグラフィ
骨に転移している確率が高い場合に実施する検査です。異常な骨に集積する薬を静脈注射し、X線を使って撮影します。
腎細胞がんの診断と病期分類
腎臓がんの病期は、T(原発巣の大きさや広がり)、N(領域リンパ節への転移の有無)、M(がんができた場所から離れた臓器やリンパ節への転移の有無)の3つのカテゴリーの組み合わせで判断します(TNM分類)。
更に、転移性腎細胞がんの予後予測因子は、リスク分類で評価されます。主な分類として、MSKCCリスク分類と、IMDCリスク分類があります。リスク分類は、予後の判断だけでなく、薬物療法の選択にも使われます。
腎細胞がんの種類
腎細胞がんは、採取したがん組織を顕微鏡で観察することで、いくつかの組織型に細分化されます。
最も多いのが淡明細胞型腎細胞がんで、全体の70-80%を占めています。
その他、乳頭状腎細胞がん(10-15%)や嫌色素性腎がん(約5%)など、複数の組織型に分類されます。
腎細胞がんの主な組織型
淡明細胞型腎細胞がん
乳頭状腎細胞がん
嫌色素性腎細胞がん
集合管がん(ベリニ管がん)
粘液管状紡錘細胞がん
転座型腎細胞がん
後天性囊胞腎随伴腎細胞がん
淡明細胞乳頭状腎細胞がん
など