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胆道がんの治療法


  • [公開日]2017.04.01
  • [最終更新日]2019.07.01

治療について

胆道がんでは可能な限り手術を行います。手術でがんを取り除くことが難しいケースは薬物療法(化学療法)で治療します。胆道がんの主な治療法は、手術と薬物療法(化学療法)です。どの病期であっても、根治が可能な限りは手術を行い、がんとその周囲のリンパ節などを取り除きます。手術の前には、必要に応じて胆道ドレナージや門脈塞栓術といった術前処置を行います。

Ⅳ期で、胆道がんと離れたリンパ節や臓器に転移があるために切除が難しいと判断された場合には、薬物療法を行うのが標準治療です。このときも黄疸が出ていれば、必ず胆道ドレナージを行います。日本肝胆膵外科学会と日本癌治療学会が「胆道癌診療ガイドライン」を作成して、胆道がんの治療を標準化しています。

標準治療は、国内や海外で実施された複数の臨床試験の結果をもとに検討され、専門家の間で合意が得られている、現時点で最善の治療法です。胆道がんは周囲のリンパ節や臓器に広がりやすい特徴をもっていますが、再発予防のために行われる手術後の薬物療法には、現時点では、標準治療として高い効果が証明されたものがないのが実情です。

術後の薬物療法は臨床試験として実施されています。離れたリンパ節や臓器に転移はないが手術は難しいというケースには、放射線療法、あるいは放射線療法とゲムシタビン、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(S-1※)などの薬物療法を併用した化学放射線療法が行われる場合があります。
※TS-1とも呼ばれる

放射線療法はがん細胞を死滅させるために、X線、γ線、粒子線などを照射する治療法です。

胆道がんの放射線療法には、体の外から放射線を当てる外部照射と、胆管の中から放射線を当てる腔内照射の2つの方法があります。腔内照射は、黄疸の治療のために挿入した胆道ドレナージのチューブの中に放射性同位元素イリジウム192を一定期間入れる治療法です。30分間の腔内照射を3~5回、あるいは、弱い放射線を出すイリジウムを3日間入れる方法があります。

多くのがんでは、手術、放射線療法、薬物療法ががんの三大療法ですが、胆道がんでは今のところ放射線療法の効果と活用範囲は限定的です。

放射線治療は、切除不能でも遠隔転移がない場合、進行を抑える目的や疼痛を緩和するために行われることもありますが、ガイドラインでは、考慮してもよいという記述にとどまっています。延命と症状緩和を目的とする対症療法として、あるいは、高齢などで化学療法は負担が重いという理由での適応になります。

手術ではがんを切除することができない、または手術に対応できる体力がないなどの理由で切除不能と判断された場合は、必要に応じて胆汁排泄を促す胆道ドレナージ、胆道閉塞を解消する胆道ステントで処置することがあります。治療法は、抗がん剤を用いた薬物療法や放射線治療のようながんを攻撃する積極的な治療、または生活の質QOL)を維持するための緩和ケアなど対症療法を選択します。

どの治療法にも、利益(効果)と不利益(合併症や副作用など)があります。わからないこと、不安なことは担当医や看護師に相談し、効果や副作用、起こる危険性のある合併症などを知ったうえで治療を受けるようにしましょう。

新規治療(今後の可能性)

(1)分子標的薬
がん化の原因となり得る遺伝子変異をピンポイントで狙う分子標的薬による治療はプレシジョンメディシン(精密医療)と呼ばれ、肺がんをはじめ様々ながん種で標的遺伝子が同定され、分子標的薬の開発が盛んに行われています。

胆道がんでも治療標的になり得る遺伝子の探索と検証がなされており、例えば、NTRKという遺伝子の異常を持つ胆道がん患者に同遺伝子を標的とするキナーゼ阻害薬のラロトレクチニブを投与したところ、がんが劇的に小さくなったという試験報告があります。NTRKの他にも胆道がんに特異的な遺伝子異常が複数同定されています。

(2)免疫療法
免疫チェックポイント阻害薬を用いるがん免疫療法薬は複数のがん種を適応として承認されていますが、日本で承認されている抗PD-1抗体であるニボルマブ(商品名オプジーボ)やペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)、抗CTLA4抗体であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ)は、いずれも胆道がんの適応がありません。

しかし、キイトルーダに関しては胆道がんの適応も将来的に視野に入ってくる可能性があります。というのも、ミスマッチ修復遺伝子が欠損している(MMR-d)、または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)という特定の遺伝子異常を持った固形がんを対象とした臨床試験で、キイトルーダを投与されたMMR-dの胆道がん患者のがんが完全に消失したというデータが報告されたからです。

胆道がんのうちMMR-dの患者の割合はわずか2%ですが、薬剤が標的とし得る遺伝子異常を予め確認した患者に投与した場合は、極めて高い治療成績に到達することが期待されます。

このように、患者個別の標的分子を明確にした治療戦略は今後さらに進歩していくことが予想されます。

胆道がんを対象とする免疫療法は、オプジーボやキイトルーダ単剤の有用性を評価する臨床試験のみならず、併用療法の試験も複数実施されており、日本でも免疫チェックポイント阻害薬同士の組合せ、もしくは免疫チェックポイント阻害薬と殺細胞性抗がん剤(化学療法)、サイトカインなどの組合せも検討されています。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが2017年4月に出版した「もっと知ってほしい 胆道がんのこと」より抜粋・転記しております。

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