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胆道がんの治療

[公開日] 2017.04.01[最終更新日] 2017.04.01

胆道がんの治療の決め方

胆道がんの根治が最も期待できる治療法は手術であるため、まずは病期を正確に判断したうえで、可能な限り手術を行います。手術ができないときには、薬物療法による全身療法を行います。 黄疸が出ている場合には、治療の前にたまった胆汁の処置をします(=胆道ドレナージ)。黄疸は、がんにより胆道がつまり、胆汁の流れがせき止められることが原因なので、チューブを使って体外に出して回収したり(=外ろう)、ステントと呼ばれる管を詰まった胆管の中に入れて胆汁の流れを回復させたりします(=内ろう)。

胆道がんの手術

胆道がんの根治的治療法は手術です。手術方法は、腫瘍の存在部位によって判断され、胆管がん、胆のうがん、十二指腸乳頭部がんのそれぞれで異なります。

胆管がんの手術

門脈部領域胆管がんで門脈に浸潤が見られる場合には、門脈合併切除が行われます。また、肝動脈合併切除の有効性を示す報告も出てきています。 また、広範囲に浸潤した胆管がんに対しては、肝葉切除を伴う十二指腸切除を行うことが考慮されます。合併症を起こす可能性があるため、安全性を十分に配慮し慎重に実施される必要があります。

胆のうがんの手術

胆のうがんでは、開腹による手術が原則です。肝外胆管に浸潤のない場合、肝外胆管の予防的な切除は行わないように提案されています。肝臓への浸潤が疑われる場合には、胆のう床(胆のうと肝臓が接している部分)切除を行うこともあります。

十二指腸乳頭部がんの手術

十二指腸乳頭部がんに対する局所的乳頭部切除の適応は、深達度TisとT1aに限られます。しかし、深達度を正確に診断することが困難であるため、十二指腸乳頭部がんの標準治療は、膵頭十二指腸切除術とされています。

胆道がんの放射線療法

切除不能な胆道がんに対する放射線治療は、「延命」「ステント開存性の維持」「減黄(黄疸に対する治療)」「疼痛緩和」などを目的に行われます。 また、化学放射線治療の有効性を示す報告もありますが、併用のタイミング、併用する薬剤の種類や用量など、まだ十分なエビデンス(根拠)がなく研究段階です。

胆道がんの薬物療法

切除不能な胆道がんに対する初回治療には、ゲムシタビン、シスプラチン、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(TS1:ティーエスワン)が使われます。 単剤またはいくつの薬剤を組み合わせることで治療を進めていきますが、標準治療としては下記のようなものが一般的です。 GC療法:ゲムシタビンとシスプラチンを併用 GS療法:ゲムシタビンとテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤を併用 GCS療法:ゲムシタビン、シスプラチン、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤を併用 手術の後の再発予防目的で実施される術後療法に関しては、薬物療法単独や、放射線療法との併用で実施されることもあります。ただし、有効性を示す十分なエビデンスが現時点では得られていないため、標準治療とはなっていません。 また、化学療法後にがんが増悪した治癒切除不能な患者さんで、FGFR2という遺伝子に変異(融合)が認められた場合、ペマジール(一般名:ペミガチニブ)というお薬を使うことがあります。
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