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ctDNA検査による耐性変異の早期発見・治療介入の意義は?:SERENA-6の日本人サブ解析 JSMO2026
[公開日] 2026.04.10[最終更新日] 2026.04.07
3月26日~28日、第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO 2026)がパシフィコ横浜で開催された。「Presidential Session 4」において、「First-line camizestrant for emergent ESR1 mutations in advanced breast cancer: Japanese subgroup analysis from SERENA-6」と題して岩田広治先生(名古屋市立大学大学院医学研究科 臨床研究戦略部)が発表した。
SERENA-6試験は、ホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性の進行・再発乳がんを対象に、アロマターゼ阻害剤(AI)+CDK4/6阻害剤治療中に循環腫瘍DNA(ctDNA)検査でESR1変異が出現した段階で、AIからカミゼストラント(次世代の選択的ER分解薬;SERD)へ切り替える戦略を検証した試験である。すでに全体集団において、カミゼストラントへ切り替えた群(試験群)は、病勢進行が認められるまでAIを継続する群(対照群)と比較して、有意な無増悪生存期間(PFS)の延長を示していた(ハザード比:0.44、95%信頼区間:0.31-0.60、p<0.0001)。今回は、SERENA-6試験における日本人部分集団の解析結果が報告された。
ctDNAによるモニタリングによってESR1変異が検出され、ランダム化された315例のうち、日本人は20例(試験群:11人、対照群:9人)であった。
今回報告された2回目の中間解析におけるPFSの中央値は、全体集団において試験群で16.6カ月に対して対照群で9.2カ月(ハザード比:0.46、95%信頼区間:0.34-0.62、p<0.0001)、日本人集団において試験群で19.4カ月に対して対照群で9.3カ月(ハザード比:0.42、95%信頼区間:0.14-1.21)であった。
PFS2の中央値は、全体集団において試験群で25.7カ月に対して対照群で19.4カ月(ハザード比:0.56、95%信頼区間:0.39-0.80、p =0.00153)、日本人集団において試験群で35.5カ月に対して対照群で19.4カ月(ハザード比:0.38、95%信頼区間:0.10-1.36)であった。
全体集団におけるベースラインから投与開始8週間目までのESR1変異のアレル頻度(がんの増悪の原因となる変異遺伝子の含有率)を解析した結果、変化の中央値は試験群で-100%(ほぼ完全に消失)であったのに対し、対照群では+66.7%と増加傾向が認められた。
カミゼストラント群の日本人患者の忍容性は認められ、安全性プロファイルは全体集団と同様であり、新たな問題は認められなかった。グレード3以上の有害事象の発現割合は、試験群で27.3%に対して対照群で55.6%、治療中止に至った有害事象は試験群で0例に対して対照群で1例であった。
SERENA-6は、「AI+CDK4/6阻害剤に対する耐性機序であるESR1変異を血液検査によってモニタリングし、画像での病勢進行よりも早期に治療介入を行うことの有用性を検証した初の第3相試験である」と岩田先生。カミゼストラント+CDK4/6阻害剤の良好なリスクベネフィットバランスは、日本人患者さんにおいても同様であることが示され、「今後ESR1変異を有するHR陽性HER2陰性の進行・再発乳がんの標準治療の一つになる可能性がある」と将来展望を語った。
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