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がん遺伝子パネル検査は標準治療前に実施するべきか:FIRST-Dx studyの3年追跡データから生存利益が明らかに JSMO2026
[公開日] 2026.04.08[最終更新日] 2026.04.07
3月26日~28日、第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO 2026)がパシフィコ横浜で開催された。「Oral Session11: TR・臨床薬理」において、「先進医療B:標準治療前のがん遺伝子パネル検査の有用性を評価する多施設共同前向き研究FIRST-Dx studyの3年フォローアップデータ」と題して鹿毛秀宣先生(東京大学医学部附属病院)が発表した。
FIRST-Dx試験は、標準治療開始前の進行固形がんに対する包括的ゲノムプロファイリング(CGP)検査の臨床的有用性を前向きに評価した多施設共同観察研究である。既に1年間の追跡調査の結果が発表されており、今回は標準治療開始前のCGP検査による生存利益に関する3年間の追跡調査の最終結果が報告された。
同研究は、国内の6つの病院で実施された先進医療B研究(FIRST-Dx)から継続された、複数機関にわたる前向き観察研究である。2021年5月から2022年2月までに、未治療の進行がん(消化管がん、肺がん、乳がん、婦人科がん、メラノーマ)を有する患者172例が登録された。主要評価項目は全生存期間(OS)であり、副次評価項目は、キャンサーボードにより決定された推奨療法(MBRT)を受けた患者の割合、無増悪生存期間(PFS)および各治療ラインにおける全奏効率(ORR)であった。
追跡期間中央値25.0カ月において、172例(年齢中央値64歳)のうち46例(26.7%)がMBRTを受けた(初回治療で21例、2次治療で22例、3次治療で6例、4次治療以降で3例*)。これは、MBRTへの到達率がわずか8.2%であるという従来の結果を大きく上回るものであった。
*複数のMBRTを受けた場合には重複してカウントしている
ORRは、初回治療においてMBRT群で52%に対して標準治療(SoC)で38%(p=0.24)、2次治療においてはMBRT群で46%に対してSoCで13%(p<0.001)であった。
PFSの中央値は、初回治療においてMBRT群で13.7カ月に対してSoCで11.3カ月(ハザード比:0.53、p=0.035)、2次治療においてはMBRT群で11.0カ月に対してSoCで5.6カ月(ハザード比:0.47、p=0.007)であった。
追跡期間中央値25.0カ月において、MBRT群とMBRT以外の治療を受けた群のOSのハザード比は0.62(p=0.047)であり、MBRT群で統計的有意な生存期間の延長が示された。さらに、FIRST-Dx研究とリアルワールドデータから、特徴を統計学的にそろえた患者さん67名ずつを抽出し、比較解析を実施した結果、初回治療開始前にCGP検査を実施したFIRST-Dx研究群の方が、標準治療終了後にCGP検査を実施する保険診療リアルワールドデータ群よりも、全生存期間が統計学的に有意に良好であることが示された(ハザード比:0.61、p=0.02)。
今回の結果を受けて鹿毛先生は、初回治療開始前のCGPの実施が、従来の標準治療後と比較して生存利益があることを示すことができたとし、CGP検査で特定されたコンパニオン診断を含む第一選択薬としてのMBRTの実施の意義を強調した。
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