・転移・再発膵臓がんを対象とした第2/3相のJCOG1611-GENERATE試験
・ナブパクリタキセル+ゲムシタビン併用療法、FOLFIRINOX療法、S-IROX療法を比較
・FOLFIRINOX療法、S-IROX療法は、ナブパクリタキセル+ゲムシタビン療法に対して有意性を示さず
2023年10月20~24日、スペイン・マドリードで開催されたESMO(欧州臨床腫瘍学会)にて転移性/再発膵臓がん患者に対するファーストライン治療としてのナブパクリタキセル+ゲムシタビン併用療法、FOLFIRINOX(オキサリプラチン+イリノテカン+ロイコボリン+フルオロウラシル)療法、S-IROX(オキサリプラチン+イリノテカン+S-1)療法の有効性、安全性を比較検証した第2/3相のJCOG1611-GENERATE試験の結果がOhba A氏らにより公表された。
JCOG1611-GENERATE試験は、転移・再発膵臓がんに対する初回治療として4週を1サイクルとしてナブパクリタキセル125mg/m2+ゲムシタビン1000mg/m2併用療法を実施する群、2週を1サイクルとしてFOLFIRINOX(オキサリプラチン85mg/m2+イリノテカン150mg/m2+ロイコボリン200mg/m2+フルオロウラシル2400mg/m2)療法を実施する群、もしくは2週を1サイクルとしてS-IROX(オキサリプラチン85mg/m2+イリノテカン150mg/m2+S-1 80mg/m2)療法を実施する群に1対1対1の割合で無作為に振り分け、評価項目として全生存期間(OS)を比較検証した多施設共同オープンラベルランダム化の第2/3相試験である。
本試験の結果、OS中央値はナブパクリタキセル+ゲムシタビン併用群で17.0ヶ月(95%信頼区間:14.5-18.9ヶ月)、FOLFIRINOX療法群で14.0ヶ月(95%信頼区間:11.4-16.3ヶ月)、S-IROX療法群で13.6ヶ月(95%信頼区間:12.3-16.3ヶ月)と、ナブパクリタキセル+ゲムシタビン併用群に比べてFOLFIRINOX療法群で死亡のリスクが29%増加(HR:1.29,95%信頼区間:0.98-1.70)、ナブパクリタキセル+ゲムシタビン併用群に比べてS-IROX療法群で死亡のリスクが29%増加(HR:1.29,95%信頼区間:0.98-1.70)した。
なお、ナブパクリタキセル+ゲムシタビン併用群に対するFOLFIRINOX療法、S-IROX療法群の全生存期間(OS)の優越性が達成される可能性が極めて低いため(FOLFIRINOX療法で0.73%、S-IROX療法群で0.48%)試験の早期中止に至っている。
一方の安全性として、グレード3以上の非血液関連治療関連有害事象(TRAE)発症率はナブパクリタキセル+ゲムシタビン併用群で5.2%、FOLFIRINOX療法群で22.8%、S-IROX療法群で27.6%を示し、3剤併用療法は2剤併用療法に比べてTRAEが高率であった。
以上の結果を受けてOhba A氏は、「ナブパクリタキセル+ゲムシタビンは、FOLFIRINOX療法やS-IROX療法と比較して、転移・再発膵がんに対する第一選択薬として推奨されます」と結論付けた。
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