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局所進行胃/食道胃接合部腺がんに対する周術期化学療法のキイトルーダ追加、病理学的完全奏効率は改善も無イベント生存期間は延長せず

[公開日] 2023.10.27[最終更新日] 2024.10.10

この記事の3つのポイント ・局所進行胃/食道胃接合部腺がんを対象とした第3相のKEYNOTE-585試験 ・周術期化学療法への抗PD-1抗体薬ペムブロリズマブ上乗せの有効性、安全性を検証 ・病理学的完全奏効率を改善するも無イベント生存期間を延長せず
2023年10月20~24日、スペイン・マドリードで開催されているESMO(欧州臨床腫瘍学会)にて、局所進行胃/食道胃接合部腺がんに対する術前/術後療法としての抗PD-1抗体薬ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)+化学療法(フルオロウラシル+シスプラチン [FP] またはフルオロウラシル+ロイコボリン+オキサリプラチン+ドセタキセル[FLOT])の有効性、安全性を比較検証した第3相のKEYNOTE-585試験の結果が国立がん研究センター東病院消化管内科長の設楽紘平氏らにより公表された。 KEYNOTE-585試験は、切除可能な局所進行胃/食道胃接合部腺がんに対して、術前療法として3週1サイクルのペムブロリズマブ200mg+化学療法を3サイクル投与後、術後療法として3週1サイクルのペムブロリズマブ200mg+化学療法を3サイクル投与し、さらに3週1サイクルのペムブロリズマブ200mg単剤を最大11サイクル投与する群、もしくは術前療法として3週1サイクルのプラセボ+化学療法を3サイクル投与後、術後療法としてプラセボ+化学療法を3サイクル投与後、さらにプラセボ単剤を最大11サイクル投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無イベン生存期間(EFS;無作為化より最初の画像診断による進行、局所再発/遠隔転移、臨床的進行、または原因を問わない死亡までの期間)、病理学的完全奏効率(pCR)、全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、安全性等を検証した無作為化二重盲検の第3相試験である。 本試験の結果、主要評価項目であるpCRはペムブロリズマブ+化学療法群の13.0%に対してプラセボ+化学療法群で2.4%、ペムブロリズマブ+化学療法群で10.6%の改善を示した(95%信頼区間:7.4%–14.0%,P<0.0001)。 もう1つの主要評価項目であるEFSの中央値は、ペムブロリズマブ+化学療法群の44.4ヶ月に対してプラセボ+化学療法群で25.3ヶ月と、ペムブロリズマブ+化学療法群でイベント発生、死亡のリスクが19%減少したものの、統計学的有意な改善は確認されなかった(HR:0.81,95%信頼区間:0.67–0.99,P=0.0198)。 OSの中央値はペムブロリズマブ+化学療法群の60.7ヶ月に対してプラセボ+化学療法群で58.0ヶ月と、ペムブロリズマブ+化学療法群で死亡のリスクが10%減少した(HR:0.90,95%信頼区間:0.73–1.12)。 以上のKEYNOTE-585試験の結果より設楽紘平氏は、「周術期化学療法への抗PD-1抗体薬ペムブロリズマブ上乗せによってEFSに有意な改善は認められませんでしたが、病理学的CR率は有意に改善しました」と結論付けている。 参照元: Pembrolizumab plus chemotherapy vs chemotherapy as neoadjuvant and adjuvant therapy in locally-advanced gastric and gastroesophageal junction cancer: the phase 3 KEYNOTE-585 study. ESMO Congress 2023, LBA74
ニュース 胃がん 食道胃接合部腺がん

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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