2022年12月20日、第一三共株式会社は、再発または難治性の成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)の治療薬として、EZH1/2阻害剤であるエザルミア(一般名:バレメトスタットトシル酸塩、以下エザルミア)の販売を開始したと発表した。なお、エザルミアは50mg錠と100mg錠の2種類が発売される。
成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)は、日本に多い造血器腫瘍の1つであり、国内における新規罹患者数は1000人/年と言われている。ATLLの原因は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)への感染と知られているものの、発症の予防法や有効な治療法は十分には存在していないのが現状である。
今回の発売は、国内第2相試験の結果に基づくもの。再発または難治性のATLL患者(N=25人)を対象にエザルミアの有効性と安全性を評価した臨床試験では、主要評価項目である奏効率は48%を示し、その内訳は完全寛解が5人、部分寛解が37人、病勢安定が10人を示した。 (参考:第一三共株式会社 2021年12月13日プレスリリース)
なお、エザルミアは同試験の結果に基づき、2021年11月より厚生労働省から希少疾病用医薬品の指定を受け、2022年9月に国内製造販売承認を取得していた。
エザルミアとは エザルミアは、血液がんの多くに発現しているヒストンメチル化酵素EZH1とEZH2を選択席に阻害する薬剤。ATLLに対して世界で初めての承認となる。1日1回エザルミア200mgを内服での投与となる。
参照元: 第一三共株式会社 プレスリリース