9月26日、第一三共株式会社は、「再発または難治性の成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)」の治療薬として抗悪性腫瘍剤であるエザルミア錠(一般名:バレメトスタットトシル酸塩、以下エザルミア)の製造販売承認を取得したと発表した。
ATLは国内において患者数の多い造血器腫瘍の1つであり、患者数は約1,000人と推定されている。ATLの原因はヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)への感染といわれているが、発症予防法や有効な治療法は十分ではないという背景がある。
今回の承認は、国内第2相試験の結果に基づくもの。再発または難治性のATL患者(N=25人)を対象にエザルミアの有効性と安全性を評価した臨床試験では、主要評価項目である奏効率は48%を示し、その内訳は完全寛解が5人、部分寛解が37人、病勢安定が10人を示した。 (参考:第一三共株式会社 2021年12月13日プレスリリース)
第一三共は今回の承認取得について、リリースにて「再発または難治性のATL治療における新たな選択肢を提供することで、患者さんに貢献できるものと期待しております」と述べている。
エザルミア(バレメトスタットトシル酸塩)とは エザルミアは、血液がんで発現しているヒストンメチル化酵素であるEZH1とEZH2を選択的に阻害するエピジェネティクス(DNA配列の変化を伴わない遺伝子発現変化を誘導する分子メカニズム)領域の低分子医薬品。EZH1ならびにEZH2を阻害することでがん抑制遺伝子が不活化された状態を解除すると考えられている。今回、成人に対してエザルミア200mgを1日1回空腹時に経口投与する用法・用量が承認された。(参考:第一三共株式会社 2021年12月13日プレスリリース)
参照元:第一三共株式会社 プレスリリース