オプジーボとヤーボイの併用療法、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんへの適応追加を申請ー小野薬品工業株式会社ー


  • [公開日]2019.12.26
  • [最終更新日]2019.12.26

2019年12月25日、小野薬品工業株式会社(以下、小野薬品)とブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社(以下、BMS)は、本日、ヒト型抗ヒトPD-1(programmed cell death-1)モノクローナル抗体ニボルマブ点滴静注(商品名:オプジーボ)(以下、オプジーボ)とヒト型抗ヒトCTLA-4(cytotoxic T-lymphocyte-associated antigen 4)モノクローナル抗体イピリムマブ点滴静注液(商品名:ヤーボイ)(以下、ヤーボイ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する両剤の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行なったことを発表した。

今回の承認申請は、小野薬品とBMSが、化学療法未治療のステージIVまたは再発の非小細胞肺がん患者を対象に実施した、複数のパートで構成されている国際共同非盲検無作為化第3相臨床試験「CheckMate-227試験」のPart1の結果などに基づいている。

同試験の結果では、オプジーボとヤーボイの併用療法は、化学療法と比較して、主要評価項目の1つであるPD-L1発現レベルが1%以上の患者における全生存期間OS)の有意な延長を達成していた。

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なお、両剤の併用療法は日本国内において、「根治不能な悪性黒色腫」、「根治切除不能または転移性腎細胞がん」の適応をこれまでに取得している。

肺がんについて
肺がんは、気管、気管支および肺胞の細胞が悪性化した腫瘍であると考えられている。肺がんは、組織型によって小細胞肺がんと非小細胞肺がん(NSCLC)の2種類に分類される。

NSCLCは、肺がんの中で最も一般的な型の1つであり、肺がんの約85%を占め1、さらに腺がん(肺がんの40%)、扁平上皮がん(同25%)、大細胞がん(同10%)などに分類される2

肺がんは、世界全体で年間約209万人(日本では約11.8万人)が新たに診断されており、肺がんによる死亡者数は、世界全体で年間約176万人(日本では約8.1万人)と推定されており、いずれもがんによる死亡原因の第1位となっている3

CheckMate-227試験について
CheckMate-227試験は、化学療法未治療のステージIVまたは再発の非小細胞肺がん患者を対象に、オプジーボ単剤療法、オプジーボとヤーボイの併用療法またはオプジーボとプラチナ製剤を含む2剤化学療法との併用療法を、プラチナ製剤を含む2剤化学療法と比較する複数のパートで構成されている国際共同非盲検無作為化第3相臨床試験。

同試験は、以下の3つのパートより構成されている。

  1. Part1 a:PD-L1 発現レベルが1%以上の患者を対象にオプジーボとヤーボイの併用療法またはオプジーボ単剤療法の有効性及び安全性を検討
  2. Part1 b:PD-L1 発現レベルが1%未満の患者を対象にオプジーボとヤーボイの併用療法またはオプジーボとプラチナ製剤を含む2剤化学療法の併用療法の有効性及び安全性を検討
  3. Part2: PD-L1 発現率にかかわらず、オプジーボとプラチナ製剤を含む2剤化学療法の併用療法の有効性及び安全性を検討

Part1におけるオプジーボとヤーボイの併用療法では、オプジーボ3mg/kg(2週間間隔)およびヤーボイ1mg/kg(6週間間隔)が投与され、病勢進行または忍容できない毒性の発現が認められるまで最長24カ月間、継続投与された。Part1の主要評価項目は、Part1aのPD-L1発現レベルが1%以上の患者における全生存期間(OS)、およびPart1aとPart1bの腫瘍遺伝子変異量(TMB)が10 mut/Mb(mutations/megabase)以上の患者における無増悪生存期間PFS)を指す。

出典
1. American Cancer Society; What Is Non-Small Cell Lung Cancer?
2. Non-Small Cell Lung Cancer Treatment (PDQ®)–Health Professional Version, National Cancer Institute
3. Globocan 2018; Lung Cancer: Estimated cancer incidence, mortality and prevalence worldwide. World Health Organization.

参照元:
小野薬品工業株式会社ニュースリリース

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