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食欲中枢に作用するアナモレリン がん悪液質による体重減少や食欲不振改善の効能・効果で承認申請
[公開日] 2018.11.27[最終更新日] 2018.11.27
2018年11月27日、小野薬品工業株式会社(以下、小野薬品)は、グレリン様作用薬であるアナモレリン塩酸塩(ONO-7643)について、「がん悪液質における体重減少及び食欲不振の改善」の効能・効果で国内製造販売承認申請を行なったと発表した。
がん悪液質は、がんに伴い食欲不振及び体重減少(主に筋力量の減少)が発症する複合疾患であり、がん患者の約70%に発現し、肺がんや消化器がん患者で認められる。また、悪液質はがん患者のQOL(生活の質)を著しく低下するにも関わらず、現在、悪液質に対する有効な治療法は存在せず、アンメットメディカルニーズの高い領域となる。
アナモレリンは、胃で産生される「空腹ホルモン」と言われているグレリンに類似した構造を示しており、低分子グレリン様作用薬の一種となる。食欲中枢に作用することによる『食欲増進と摂食量増加』および脳の視床下部・下垂体に作用することによる成長ホルモン(GH)の増進とインスリン様成長因子(IGF-1)の増進による『タンパク合成の増進と筋肉量の増加』が期待できるとされる。
今回の申請は、主に国内で がん悪液質患者を対象に実施した2つの試験結果に基づいている。
1) 非小細胞肺がん患者を対象にプラセボを対照とした多施設共同二重盲検無作為化並行群間比較第II相 臨床試験(ONO-7643-04試験)
がんによる体重減少 アナモレリンが有用な可能性 日本肺癌学会(2015/11/30)
2) 大腸がん、胃がんおよび膵臓がん患者を対象にした多施設共同非盲検非対照第III相臨床試験(ONO-7643-05試験)
食欲中枢に作用するアナモレリンが消化器がんの「がん悪液質」に有効な可能性 第16回日本臨床腫瘍学会学術集会(2018/7/24)
以上、アナモレリンは、がん悪液質の患者さんにおける体重および筋肉量の増加並びに食欲の増加効果を示しており、がん悪液質の患者さんに対する初めての治療薬となり得る。
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