抗EGFR抗体ポートラーザ、ゲムシタビン+シスプラチンとの併用療法で厚労省が承認を了承欧米では未治療の転移性扁平上皮非小細胞肺がんの適応で承認済み


  • [公開日]2019.04.22
  • [最終更新日]2019.04.22

4月19日、厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は新薬2製品の承認可否を審議し、いずれも承認することを了承した。そのうち、日本イーライリリーのネシツムマブ(製品名:ポートラーザ)は、承認されれば抗EGFR抗体として初の非小細胞肺がん治療薬となる。

関連リンク:非小細胞肺がんの新薬ネシツムマブの治験を受ける前に知っておきたい7つのこと

ポートラーザは、ヒト上皮成長因子受容体1(EGFR)のリガンド結合部位をブロックするようデザインされた遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体。EGFRの活性化は、悪性進行、血管新生促進およびアポトーシスまたは細胞死の抑制と関連している。非臨床試験で示されているように、EGFRは腫瘍の形成(腫瘍発生)および拡散(転移)に関与している。

同剤は、ゲムシタビン(商品名:ジェムザール)、シスプラチンと併用し、通常成人には1回800mgをおよそ60分かけて点滴静注する。週1回投与を2週連続行い、3週目は休薬。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、再審査期間は8年。

また、併用薬のジェムザールについては、ポートラーザと使うことを前提として、「非小細胞肺がん」を対象疾患とする新用量医薬品を同社が公知申請した。

なお、4月22日には、日本化薬と米イーライリリー・アンド・カンパニー(リリー社)が、リリー社が有するネシツムマブの日本における製造・輸入・販売等の独占的権利に関する契約を締結したと発表している。

参照:日本化薬 ニュース

抗EGFR抗体ポートラーザについて

一般名(国内):ネシツムマブ
一般名(英語):necitumumab
商品名(米国):Portrazza
国内企業:日本イーライリリー
効能日本語簡略訳(FDAまたはEMAでの承認効能):未治療の転移性扁平上皮非小細胞肺がん
米国FDA承認日:2015年11月
欧州EMA承認日:2016年2月

参照:国内で医薬品医療機器法上未承認または適応外である医薬品等のリスト(2018年4月4日時点のデータ)(承認年月日順)

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