非小細胞肺癌の新薬ネシツムマブとは

非小細胞肺癌の新薬としては抗PD-1抗体薬のオプジーボ(ニボルマブ)、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)、抗PD-L1抗体薬のテンセントリク(アテゾリズマブ)、バベンチオ(アベルマブ)、デュルバルマブの5製品が期待されています。

たしかに、これら抗PD-1/PD-L1抗体薬は非小細胞肺癌のゴールデンスタンダードであった既存の治療方法の成績よりも勝り、2016年12月に改定された肺癌診療ガイドラインでもキイトルーダ(ペムブロリズマブ)がPD-L1発現率50%以上のステージⅣ非小細胞肺癌患者の一次治療として最も推奨される薬剤として位置づけられています。

しかし、抗PD-1/PD-L1抗体薬がゴールデンスタンダードとなるのは非小細胞肺癌の中でもPD-L1発現率の高い患者に限り、EGFR遺伝子変異陽性、ALK遺伝子転座陽性の患者に対して抗PD-1/PD-L1抗体薬は推奨されておりません。

そのため、EGFR、ALKなど遺伝子変異を有する患者に対しては抗PD-1/PD-L1抗体薬以外の新しい治療方法を開発する必要があります。そして、この新しい治療方法として期待されていますのが

ネシツムマブ

です。ネシツムマブはステージⅣ非扁平上皮非小細胞肺癌EGFR遺伝子変異陽性の患者の一次治療の標準治療であるプラチナ製剤レジメンに勝る治療成績を出しました。

つまり、抗PD-1/PD-L1抗体薬と対象となる患者は違いますが同じ程度の影響力のある治療成績をネシツムマブが記録したのです。また、ネシツムマブは抗PD-1/PD-L1抗体薬単剤療法に上乗せできる治療方法の治験も現在進行しております。

ネシツムマブの薬剤概要

製品名

Portrazza

一般名

ネシツムマブ(Necitumumab)

用法用量

未定(3週を1サイクルとして、1日目、8日目にネシツムマブとして800mgを60分かけて静脈投与する)

効能効果

未定(EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌)

主な副作用

未定(低マグネシウム血症、発疹、嘔吐、下痢、ざ瘡様皮膚炎)

製造承認日

未定

ネシツムマブの作用機序

ネシツムマブ
ネシツムマブはEGFRの活性化を抑制することで抗腫瘍効果を発揮します。EGFR(ヒト上皮成長因子受容体 )1のリガンド結合を阻害するヒトIgG1モノクローナル抗体であるネシツムマブは、EGFRの活性化を阻害することで癌細胞の増殖、血管新生促進を抑制し、アポトーシスを促します。

ネシツムマブの最新情報

1)Necitumumab plus gemcitabine and cisplatin versus gemcitabine and cisplatin alone as first-line therapy in patients with stage IV squamous non-small-cell lung cancer (SQUIRE): an open-label, randomised, controlled phase 3 trial

概要

ステージ4扁平上皮非小細胞肺癌の一次治療としてゲムシタビン+シスプラチン+ネシツムマブ併用療法、又はゲムシタビン+シスプラチン併用療法を投与し、OS(全生存期間)を比較検証した試験。この試験の結果、ゲムシタビン+シスプラチン併用療法よりもゲムシタビン+シスプラチン+ネシツムマブ併用療法が有意にOS(全生存期間) を延長しました。

出典

The Lancet

配信日

2015年7月

ネシツムマブの口コミ

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その他医療関係者のコメント

ネシツムマブの治験情報

1)A Study of the Combination of Necitumumab (LY3012211) and Pembrolizumab (MK3475) in Participants With NSCLC

概要

ステージⅣ非小細胞肺癌の患者に対してネシツムマブ+キイトルーダ(ペムブロリズマブ)併用療法を投与し、その安全性を検証する治験

治験の期限

2017年12月

参照
1)肺癌診療ガイドライン
2)日本イーライリリー株式会社プレスリリース


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