3月26日、全薬工業株式会社および中外製薬株式会社は、両社で共同販売を行っている抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブ(商品名:リツキサン)について、「CD20陽性の慢性リンパ性白血病」に対する効能・効果追加の製造販売承認を、全薬工業が厚生労働省より取得したと発表した。
リツキサンは、幹細胞や形質細胞以外のB細胞上に発現するタンパク質のCD20に特異的に結合する抗CD20モノクローナル抗体。標的となるB細胞を体内の免疫系とともに攻撃する。今回承認を取得した「CD20陽性の慢性リンパ性白血病」の治療では、他の抗悪性腫瘍剤との併用で使用される。
50歳以降に多い慢性リンパ性白血病
慢性リンパ性白血病は、末梢血、骨髄、リンパ節および脾臓などで小型の成熟Bリンパ球が単クローン性に増殖する疾患で、その多くは緩徐に進行する。既存治療での治癒は難しいとされ、再発・進行を繰り返すことの多い疾患である。また同症は、高齢者に多く見られる希少疾患であり、年間で10万人に0.3人前後が発症すると報告されている。発症年齢は50歳以降で多く、30歳未満ではほとんどみられない。男女比は、女性より男性に多く1.5~2倍程度とされている。
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両社はプレスリリースで、以下の通り述べている。”全薬工業および中外製薬は、CD20陽性の慢性リンパ性白血病に対する治療にリツキサンが貢献できるよう、より一層の協力体制で取り組んでまいります。”
参照:
中外製薬株式会社プレスリリース