3月15日、中外製薬株式会社は、ROS1/TRK阻害薬エヌトレクチニブについて「ROS1融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺がん」適応にて製造販売承認申請を行ったと発表した。非小細胞肺がんの1~2%がROS1融合遺伝子陽性といわれており、同適応ではクリゾチニブ(商品名ザーコリ)があり、本剤は2剤目となる。
エヌトレクチニブは、ROS1(c-rosがん遺伝子1)およびTRK(神経栄養因子受容体)ファミリーを強力かつ選択的に阻害するチロシンキナーゼ阻害薬であり、脳転移巣への作用も期待されている。エヌトレクチニブは昨年12月に「NTRK融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性固形がん」適応にて承認申請をしている。
エヌトレクチニブのNTRK融合遺伝子陽性の固形がんに対する製造販売承認申請~がん種を問わない申請として~第二弾
今回の承認申請は、国際共同第2相臨床試験(STARTRK-2試験)および海外で実施した3つの第1相臨床試験(STARTRK-NG試験、STARTRK-1試験、ALKA-372-001試験)の統合解析結果に基づいている。有効性評価は、ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんの患者さん53名を対象として行い、安全性評価はこれら四つの試験に登録された355名で行ったとのこと。
ROS1融合遺伝子陽性局所進行性転移性非小細胞肺がんに対するROS1/TRK阻害薬エヌトレクチニブ、客観的奏効率(ORR)77.4%を示す