12月25日、MSD株式会社は、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)について、「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌」に対する効能・効果を追加する国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得したと発表。日本において、尿路上皮がん(膀胱がん、腎盂がん、尿管がん、尿道がん)適応された初の免疫チェックポイント阻害薬となる。

キイトルーダは、プラチナ製剤併用化学療法による治療中または治療後に疾患進行した局所進行性又は転移性の尿路上皮がんの患者を対象とした国際共同第3相臨床試験(KEYNOTE-045試験;NCT02256436)において、有効性および安全性が示された。

KEYNOTE-045試験において、キイトルーダ群は化学療法群に対して全生存期間OS)を有意に延長した。主要評価項目の解析では、キイトルーダ群は化学療法群と比較して、死亡リスクが27%減少した(HR, 0.73 , p = 0.00224)。全生存期間の中央値は、キイトルーダ群では10.3カ月、化学療法群では7.4カ月だった。12カ月時点の全生存率はキイトルーダ群43.9%、化学療法群では30.7%だった。。

キイトルーダ群の副作用は60.9%、化学療法群の副作用は90.2%の患者に認められた。キイトルーダ群の主な副作用は(発現率10%以上)は、そう痒症19.5%、疲労13.9%、悪心10.9%であった。

※試験の詳細は以下のとおり。
尿路上皮がん キイトルーダが二次治療で有効、初回療法では化学療法より有望な可能性 NEJM&ASCO-GU2017<動画有>(オンコロニュース2017.03.22)

尿路上皮がんは、尿路上皮から生じる腫瘍の総称であり、膀胱がん、腎盂がん、尿管がんおよび尿道がんを含むが、膀胱がんの占める割合が約95%となっている。日本での膀胱がんの推定総患者数(有病者数)は約66,000人、2015年の推定新規患者数(罹患者数)は約21,000人であり、罹患率は増加の一途をたどっている。

根治切除不能な尿路上皮がんに対しては、全身化学療法が標準療法として行われているが、既存治療後に増悪した場合の選択肢は限られていた。ゆえに、今回のキイトルーダの効能・効果の追加により、治療の選択肢が広がる意義があるものとされる。

さらに、米国では既に、キイトルーダの他に、抗PD-1抗体ニボルマブ(商品名オプジーボ)、抗PD-L1抗体アテゾリズマブ(商品名テセントリク)、アベルマブ(商品名バベンチオ)およびデュルバルマブ(海外商品名Imfinzi)が同適応で承認されており、1つのドラッグラグが解消したともいえる。

(文 可知 健太)

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