3月14日、米メルク社は、免疫チェックポイント阻害薬PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)について、「難治性またはこれまでに3回以上治療を受け再発した成人および小児古典的ホジキンリンパ腫(cHL)患者」に対する治療薬として米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表した。FDAの迅速承認制度のもとで審査が行われ、奏効率および奏効期間のデータを基に承認さたとのこと。日本においては、2016年12月22日に「再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫」に対する効能・効果について製造販売承認事項一部変更承認申請を行っている。

本承認は、210名の患者を対象とするKEYNOTE-087試験のデータに基づいている。

KEYNOTE-087試験は、小児を含む再発性または難治性古典的ホジキンリンパ腫患者210名が登録された多施設共同非無作為化非盲検試験である。活動性非感染性肺臓炎患者、同種造血幹細胞移植を5年以内に受けた患者(または5年以上前に受け、移植片対宿主病(GVHD)の症状を呈する患者)、活動性の自己免疫疾患患者、免疫抑制剤が必要な状態にある患者、全身治療の必要な活動性の感染症患者は本試験の対象外とされた。

キイトルーダ®は3週間ごとに200 mgの用量を、許容できない毒性が認められるまで、または疾患進行の認められるまで、または疾患進行の認められない患者は最大24カ月まで投与さ、主な有効性評価項目(奏効率、完全寛解率、奏効期間)は、国際ワーキンググループ(IWG)の2007年改訂基準に基づき、盲検下での独立中央判定により評価が行わた。

組み入れられた患者の58%が直近の前治療に対し抵抗性を示し、うち35%が初回治療に対する抵抗性を、14%が全ての化学療法に対し抵抗性を示した。また、以前に自家造血幹細胞移植を受けた患者が61%、ブレンツキシマブの投与歴のない患者が17%、放射線治療歴のある患者が36%であった。

有効性解析では、奏効率(ORR)が69%で完全寛解率(CRR)が22%、部分寛解率(PRR)が47%でした。フォローアップ期間の中央値は9.4カ月であった。145名の奏効患者における奏効期間の中央値は11.1カ月となった。

古典的ホジキンリンパ腫患者210名のうち5%が有害事象によりキイトルーダを中止し、26%が有害事象により治療を中断した。15%の患者にコルチコステロイドの全身投与を必要とする有害事象が認められた。重篤な有害事象は16%の患者に認められ、特に高い頻度(1%以上)で認められた重篤な有害事象は、肺炎、肺臓炎、発熱、呼吸困難、GVHD、帯状疱疹であった。疾患進行以外の原因による死亡例が2件あり、一件は投与後に同種HSCTを受けた後のGVHDで、もう一件は敗血症性ショックだった。特に高頻度(20%以上の患者)で認められた有害事象は、倦怠感(26%)、発熱(24%)、咳(24%)、筋骨格痛(21%)、下痢(20%)、発疹(20%)となった。

小児患者に対するデータとしては、進行性悪性黒色腫、PD-L1陽性の進行性、再発性、または難治性固形がんまたはリンパ腫の小児患者40名を対象とする試験結果にて、キイトルーダによる治療期間の中央値は43日で、24名(60%)の患者が42日以上治療を受けた。小児患者に対する安全性は、キイトルーダによる治療を受けた成人患者と同等であった。65歳未満の成人と比較してこれらの患者に特に高い確率(15%以上の差)で見られた毒性は、倦怠感(45%)、嘔吐(38%)、腹痛(28%)、高トランスアミナーゼ血症(28%)、低ナトリウム血症(18%)となった。

なお、成人患者にはキイトルーダ200 mgの固定用量、小児患者にはキイトルーダ2 mg/kg(最大200 mg)を投与となり、疾患進行または許容できない毒性が認められるまで、または疾患進行の認められない患者では最大24カ月まで、3週間ごとに静注することとなる。

記事;可知 健太
ニボルマブ(商品名オプジーボ)とデータを確認されたい方は以下の記事を参考にしてください。

ホジキンリンパ腫 FDA(米国) 免疫チェックポイント阻害剤オプジーボ 承認(オンコロニュース2016/5/20)


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