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小細胞肺がん オプジーボとヤーボイの併用療法が効果がある可能性 Lancet Oncol

[公開日] 2016.07.11[最終更新日] 2025.01.29

目次

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オプジーボが単独またはヤーボイ併用で化学療法失敗例に治療機会をもたらすか第1/2相臨床試験CheckMate032の中間結果公表

免疫チェックポイント阻害薬のPD-1抗体ニボルマブ(オプジーボ)とCTLA-4抗体イピリムマブ(ヤーボイ)。オプジーボとヤーボイの併用療法が小細胞肺がん(SCLC)に効くかどうか。米国エモリー大学のScott J Antonia氏らが実施した第1/2相臨床試験(CheckMate032)の中間解析結果が、Lancet Oncol誌(17巻7号883~895頁2016年7月)に掲載された。 小細胞肺がんは、肺がんのうち約15%を占め、「進行速度が速いこと」や「薬剤治療や放射線療法が効きやすいこと」が特徴であるが、プラチナ製剤を含む化学療法が効かずに進行したか、効いた後に再発した場合、二次療法として選択できる治療はほとんどない。 肺がんの組織型

オプジーボ1mg/kg+ヤーボイ3mg/kgの併用療法に意義を見いだせる可能性

2013年11月18日から2015年7月28日、欧米の6カ国、23施設で、プラチナ製剤を含む治療後に進行した進展型、または限局型の小細胞がん患者216人が登録され、オプジーボ3mg/kg単独療法(98人)、オプジーボ+ヤーボイ併用療法の1+1mg/kg(3人)、1+3mg/kg(61人)、または3+1mg/kg(54人)の治療を受けた(それぞれM群、C-1群、C-2群、C-3群とする)。 その結果、フォローアップ期間の中央値はM群198.5日、C-1群302日、C-2 群361日、C-3群260.5日で、奏効率は順に10%(10/98人)、33%(1/3人)、23%(14/61人)、19%(10/54人)であった。また、生存期間の中央値はM群4.4か月、C-2 7.7か月%、C-3群6.0か月、1年生存率はM群33%、C-2 群43%、C-3群35%とオプジーボ1mg/kg+ヤーボイ3mg/kg(C-2群)で最も成績が良い傾向が見られた。なお、C-2群は奏効持続期間が中央値7.7カ月、C-3 群は中央値4.4カ月で、奏効の全35人中16人は6カ月を超えて持続している。 治療と関連するグレード3~4の有害事象はM群13%(13人)、C-2群30%(18人)、C-3群19%(10人)に発現し、主にリパーゼ上昇(各0%、8%、0%)、および下痢(各0%、5%、2%)であった。C-1群には治療と関連するグレード3~4の有害事象は認められなかった。有害事象を理由とする中止率はM群6%(6人)、C-2群11%(7人)、C-3群7%(4人)、治療関連有害事象による死亡はC-2群2人(重症筋無力症、腎不全悪化)、C-3群1人(間質性肺炎)であった。 図1 本試験は、プラチナ製剤を含む前治療に感受性があった患者もなかった患者も含まれ、治療歴の数も様々である。治療群別の患者数も少ない。そのため、他の二次療法と比較することは難しいが、安全性の特徴は許容可能で、有効性には一定の臨床的意義があると考察されている。プラチナ製剤を含む前治療に感受性でも抵抗性でも関係なく、また治療歴の数が1つでも2つ以上でも関係なく奏効が得られたことに注目している。 例えば、本試験と同様の患者集団を対象としたテモダール(一般名テモゾロミド、DNAアルキル化作用を有する細胞障害性抗がん剤)のフェーズII試験報告では、前治療のプラチナ製剤に感受性を示した患者集団(48人)の奏効率は23%と、本試験と大差はないが、抵抗性を示した患者集団(16人)の奏効率13%と10%低下し、全解析対象の奏効持続期間中央値(3.5カ月)も短かった。 進行期小細胞肺がん患者は一次療法には比較的高い確率で奏効するが、再発は不可避といっても過言ではなく、プラチナ製剤を含む化学療法後に進行した患者の予後は悪い。二次療法の選択肢がほとんどない現状では、進展型小細胞肺がん患者の2年生存率は5%にも満たない。 こうした背景を踏まえると、C-2群、すなわちオプジーボ1mg/kgとヤーボイ3mg/kgの併用療法に深い意義を感じざるを得ない、と考察されている。オプジーボとヤーボイを同じ用法用量で併用する未治療悪性黒色腫の治療でも、有効性が報告されている。 また、プラチナ製剤の感受性の有無、あるいは治療歴の数に左右されない免疫チェックポイント阻害薬の有効性は、小細胞肺がんの治療に用いられているトポイソメラーゼ阻害剤のハイカムチン(一般名トポテカン)やカルセド(一般名アムルビシン)と差別化できる重要な側面ともいえる。ハイカムチンの有効性は化学療法感受性に依存し、その感受性は腫瘍の耐性変異に影響される。これに対し、小細胞肺がんのゲノム的に不安定な性質は、腫瘍抗原が主導する免疫反応の誘導や回復を介して、免疫チェックポイント阻害に対する感受性を付与している可能性が示唆された。SCLCの腫瘍組織内に存在するリンパ球は少ないため、一つの仮説として、リンパ球コンパートメントを標的とする介入の必要性はより高まる。したがって、PD-1のみならずCTLA-4も阻害することの合理的根拠があり、効果の最大化が狙える可能性がある。 本試験で治療を受けた患者の半数以上は2つ以上の化学療法歴があった。それにもかかわらず、1年間の全生存率はオプジーボ単独療法のM群が33%、併用療法C-2群が43%で、ハイカムチンやカルセドの二次療法のデータと比べ同等かそれ以上であった。様々な固形癌を対象とする免疫チェックポイント阻害薬の他の試験と一致し、しかしハイカムチンの試験とは異なり、本試験のM群とC-2群の生存曲線は平坦であった。このことは、生存のベネフィットがあることを示す。しかし繰り返すが、本試験の患者数は少ないため決定的な結論を出すことはできない。そして、すでに報告されているがん免疫療法の無作為化試験の結果と一致して、オプジーボとヤーボイの併用療法も無増悪生存期間より全生存期間に重きを置く効果を発揮する可能性が示唆された。 Nivolumab alone and nivolumab plus ipilimumab in recurrent small-cell lung cancer (CheckMate 032): a multicentre, open-label, phase 1/2 trial(Lanvet Oncology;Volume 17, No. 7, p883–895, July 2016 ) 記事:川又 総江 & 可知 健太 メルマガ
ニュース 肺がん オプジーボニボルマブ

医療ライター 川又 総江

国内製薬企業研究所研究員、大学医学部研究室助手を経てフリーのメディカルライターに転身。医薬・バイオ関連出版社等の文献翻訳、医療記事作成を執筆すること20年。

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