非小細胞肺がん 免疫チェックポイント阻害剤オプジーボ 2年生存期間においても有効性を示唆


  • [公開日]2016.05.24
  • [最終更新日]2017.11.13[タグの追加] 2017/11/13

5月18日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、治療歴を有する進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)を対象として免疫チェックポイント阻害剤PD-1抗体ニボルマブ(オプジーボ)をドセタキセルと比較評価した2つの第3相臨床試験(CheckMate-017、CheckMate-057)の2年時点の全生存期間データを発表した。

2 年生存率は、タキソテールと比較して扁平上皮非小細胞肺がんで3 倍、非扁平上皮肺がんで2倍

これらの臨床試験は、進行非扁平上皮または扁平上皮肺がんに対してプラチナ製剤を用いた抗がん剤療法の効果が乏しくなった方を対象として、オプジーボまたはドセタキセル(タキソテール)を使用したときの効果と安全性を検証する試験であり、共に以下のように有効性が既に確認されている試験である。

◆進行期肺扁平上皮がんの患者を対象にした海外の第3相臨床試験(CheckMate-017)
標準治療(ドセタキセル)と比較して、死亡リスクを41%低減
・全生存期間の中央値:オプジーボ群が9.2 カ月、ドセタキセル群が6.0 カ月
・1 年生存率:オプジーボ群が42%に対して、ドセタキセル群が24%

◆進行期非扁平上皮非小細胞肺がんの患者を対象にした海外の第3相臨床試験(CheckMate-057)
・標準治療(ドセタキセル)と比較して、死亡リスクを27%低減
・全生存期間の中央値:オプジーボ群が12.2 カ月、ドセタキセル群が9.4 カ月
・1 年生存率:オプジーボ群が51%に対して、ドセタキセル群が39%

上記に結果により、日本でも12月に承認された。

今回、これらの結果に加え、2年時点における生存期間を示しており、以下のとおりである。

◆進行期肺扁平上皮がんの患者を対象にした海外の第3相臨床試験(CheckMate-017)
・2 年生存率:オプジーボ群が23%に対して、ドセタキセル群が8%
リスクを38%軽減(ハザード比: 0.62 [95% 信頼区間:0.47- 0.80])

◆進行期非扁平上皮非小細胞肺がんの患者を対象にした海外の第3相臨床試験(CheckMate-057)
・2 年生存率:オプジーボ群が29%に対して、ドセタキセル群が16%
リスクを25%軽減(ハザード比: 0.75 [95% 信頼区間: 0.63-0.91])
・本試験では、腫瘍細胞上のPD-L1タンパク発現量についても検討されており、以下の通りである。
図2

なお、オプジーボの2年時点の安全性に関する事項として、治療に関連する有害事象(AE)がCheckMate-057 試験71%とCheckMate-017 試験61%で発生したが、これまでに報告された両試験のデータと一貫しているとのこと。

これらのデータは、6 月3 日から7 日まで米国シカゴで開催される米国臨床腫瘍学会の第52 回年次総会(ASCO2016)にて、ポスターセッションで発表予定である(抄録番号#9025)。

Nivolumab (nivo) vs docetaxel (doc) in patients (pts) with advanced NSCLC: CheckMate 017/057 2-y update and exploratory cytokine profile analyses.(ASCO2016 Abstract No:9025)

ブリストル・マイヤーズ スクイブのプラスリリースはコチラ

記事:可知 健太
オプジーボへの過度な期待は禁物です。こちらも併せてお読みください。
オプジーボを使用したい全ての肺がん患者さんへ 肺癌学会が書面による’お願い’を発表(オンコロニュース20151218)

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