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希少がんMeet the Expert 第2回 GIST(消化管質腫瘍)書き起こし~ディスカッション~

[公開日] 2017.04.25[最終更新日] 2017.04.25

スピーカー 国立がん研究センター中央病院 病院長 西田 俊朗 国立がん研究センター希少がんセンター 加藤 陽子 NPO法人GISTERS 西舘 澄人 認定NPO法人キャンサーネットジャパン理事 柳澤 昭浩 がん情報際サイト「オンコロ」オンコロジー事業本部 本部長 可知 健太 ■開会挨拶講演 前編講演 後編ディスカッション

柳澤) 皆さん、講義を充分聞いていただいて、だいぶ理解が進んだのではないかと思います。たくさんの質問をありがとうございます。私もいろいろなセミナー、がん腫でやってきて、セミナーのたびにこのように質問を受けておりますが、たくさん書いていただきありがとうございます。 質問票に個人の病気、相談の質問はお控えくださいと明記していますが、ほとんどの質問が個人の相談になってしまっていたので、できるだけ一般化して、参考になるように気を付けて聞いていきたいと思います。 それでは、一番初めに質問することですが、今日のお話の中には、最近話題になっているほかの疾患では、先月のセミナーでの悪性黒色腫の免疫チェックポイント阻害薬や、肺がんでも適用になり、昨日、一昨日も新しいお薬が、薬価が決まったということがありましたが、そのカテゴリーのお薬については、GISTでの期待はないんでしょうか?というのが一つ目の質問です。西田先生お願いします。 西田) まだ正確なデータは出ていませんが、去年のあそこのデータとか見ていると、あまりいい結果が出てないんです。いい結果が出てないというのは、つまり肺がんのような効き方はしない。それはGISTだけじゃなく、肉腫がだいたい一般的にそうなんです。 ですから、それに実際に治験ができるかどうかは、非常に厳しい状況かなと思っています。実は私どもも、ああいう薬を持ってる会社はいくつかあるのですが、いくつかの会社に試してみませんかというのは失礼だけども「テストしないとわからないじゃないですか?」という話はしています。海外で一応、いくつかはやってるんですけども、今のところポジティブになって、第2相、第3相といけそうなデータがまだ出てないというのが、現状ではないかなというふうに思います。 柳澤) ありがとうございます。加藤さん、その辺り、GISTの患者さんやそのご家族から、新しい薬に対する期待や、お問い合わせ、質問が多いと思いますが、実際のところはどうでしょうか? 加藤) GISTの患者さんも、オプジーボの治療に参加したいので、というお問い合わせは希少がんホットラインに非常に多く聞かれます。 やはり新しい薬に、患者さんたちはすがりたいという気持ちが強いようなので、その時は患者さんのお話をお聞きして、さきほど西田先生がおっしゃってましたが、標準治療がきちんとされているのかどうかを確認して、患者さんと問題点を整理し、主治医の先生に確認してみてくださいということを、コメントしております。 柳澤) ありがとうございます。最初にきちんとご挨拶させてもらっておりませんでしたが、今日GISTというテーマで、この疾患に特化して患者さん、あるいはそのご家族の支援活動、患者会活動をされてきた西舘さんに来ていただいてます。西舘さん、この会を始められたバックグラウンドや、経緯、思いというのは、もう10年以上ですよね。少しだけご紹介をご自身からお話しいただくといいかなと思うのでお願いできますか? 西舘) 皆さんの質問を遮るようなかたちになってしまいましたが、2002年に私の家内がGISTに罹患しまして、その時はもう余命2カ月という診断だったんです。ですがその時、未承認だったお薬でグリベック(イマチニブ)という薬、今は、一般的にGISTの患者さん服用されてますけれども、まだ未承認の段階でした。 それを服用してみたところ劇的に効きまして、その後7年間生きました。それも非常に普通に、もう普通の生活です。闘病というよりはもう本当に、普通に生活ができたとういことで、患者会をやっていますが、患者さんとのお付き合いも、とっても長くなります。 ですので、本当に家族のような会を作りたいと思いここまでやって来てます。今は、インターネットが中心にはなってますけれども、年に数回、各地で勉強会を開催してます。それから交流会もやっています。 今後は、このように直接先生とお話が聞けないという患者さんもいらっしゃいますので、地方のほうで、今日の西田先生がご講演していただいたようなビデオを撮って、それを持って各地を回りたい。そんなことも考えています。今日は、グリベックを飲んでらっしゃる方も多いと思いますが、お仕事が終わった後で、体もとても疲れてるところだと思います。もう少しお付き合いいただければと思います。よろしくお願いいたします。 柳澤) ありがとうございます。ちょうど西舘さんと私が初めて出会ったのもネット上で、それからずっと交流が続いています。希少がんは本当に情報がなく、GISTもそのうちの一つで、セミナー等もなかったのですが、今日は全部の質問に答えることできませんが、この質問は必ずお渡しをして、なんらかのかたちでお答えできるような努力をさせてもらいたいと思います。ありがとうございました。 可知さんは、「オンコロ」というサイトで、治験、特に新しい薬の開発、製薬企業が入ってるところの、患者さんの候補の方の受け付けをして、うまくつながれば治験にトライアルするというスキームを作ってやっている会社にいらっしゃいますよね。可知さんが電話受ける時、患者さんやそのご家族の傾向があるというか、治験に入るために将来の治験の可能性を残すために、という話を聞けたので、よろしかったら現状をお話してもらえますか? 可知) まず、治験に入りたい方の傾向は、おそらく加藤さんも同じ気持ちかもしれませんが、基本的には標準的治療法がなくなった方がお電話されてきます。 GISTの場合は、通常一般の治験は、基本的に今ある標準治療と比べるといったものの治験が多くありますので、実を言うと、その標準治療がなくなってからお電話されても、その治験には入れませんと、いう場合が結構多いといったことが一つの傾向です。最近、これは加藤さんはどう思われるかわかりませんが、僕が1日、5人か7人ぐらいのかたと電話でお話ししていますが、非常に怪しい、免疫療法をやられている方がとても多くいらっしゃる。 実を言うと、この免疫療法されているがために治験に入れないといった例もありますので、まずはこういう怪しい、エビデンスがない免疫療法に参加される前に、主治医とよくお話をして、ご検討いただきたいなと思います。おそらく、よく調べる患者さんほど、ああいった治療方法に惑わされるという傾向があるような気がしまして、一言、言いたく、お話しさせていただきました。 柳澤) ありがとうございます。この様子は、後日すべてインターネットに流れるということを、わかって発言したのか、勇気ある発言をどうもありがとうございました。 加藤) 可知さんと同じような相談が多くて、以前、希少がんセンターのホームページを立ち上げた時には、希少がんセンターとか、希少がんとか、希少がんホットラインと検索すると、宣伝や広告が横に付かなかったんです。 ですが最近、開いていただくとわかるのですが、たくさんいろいろな広告が付いて、GISTではなく、よくあるのが子宮肉腫です。子宮肉腫を希少がんセンターのホームページで調べていただいているようなんですが、そこの横に広告があるために、いつの間にか別のところに行ったりして、ここ最近、どこか宗教のところに相談しに行かれて、「こういうのはやったほうがいいんじゃないか?」「ああいうのはやったほうがいいんじゃないか?」と言われてしまったから。という感じで、不安になり泣きながら電話をされてくるというのが、多いんですよね。 なので、このホームページのことが、影響してるのかなと思っている現状なので、皆さん方はもし迷われるのであれば、この希少がんホットラインでもいいし、後ろにいるがん相談支援センターの相談員でもいいですので、一度話をしていただいて、そこで適切な筋道を見つけてもらうということと、適切な相談の窓口を紹介してもらうというのが、一番いいのではないかなと、このごろは感じています。 柳澤) ありがとうございます。免疫っていう言葉が出てきたので、混乱するかもしれませんが、最近出てきてるオプジーボや、キイトルーダというのは、免疫チェックポイント阻害剤というカテゴリーで、国の臨床試験や、厳しいルールのもと試験をされて認証されたお薬です。可知さんと加藤さんがおっしゃったのは、認可をされていない免疫細胞療法や、免疫という言葉を使った自由診療など、保険外治療のことです。 とても残念なのは、可知さんのお話を聞いて標準治療をことごとくスキップされてる方が結構いらっしゃいます。そうすると期待される新しい治験には、「標準治療が効かなくなった方」という条件があった場合、もう治験には入れません。今後GISTでもいろいろなお薬が出てくると思うので、是非、今のご意見を参考にしていただければと思います。 次の質問です。これは西田先生にお答えいただきたいと思いますが、手術は早期の場合、そんなに難しいものではないと言われたと思うんですけども、これはほかの疾患でもよくありますが、再発後というのは、あまり手術されないケースが多いと思います。転移巣があったりですね。その場合、再発GISTの手術適応はないのはなぜでしょうか?ということです。 西田) なかなか難しい質問です。大腸がんは、再発、あるいは転移しても手術するんです。私の親戚も、来週もう1回肝臓の手術するのですが、がんの中には、例えば、転移した時に数が数えるぐらい、例えば、3つ、4つぐらいで転移が収まってるがんもあれば、そうではなくて一つだけ見つかってるけれど、細胞もたくさんのところに散らばっていて、見えているのがたまたま1個だけという転移の仕方、例えば、胃がんなどがそうなんです。 そういうタイプの転移の仕方と、大きく分けて二つ、間はいくらでもあると思ってください。GISTはどちらかというと後者なんです。一つ見つかっても、ほかにもいっぱいの転移した細胞が隠れている、と。時間がたったらこの一つを、見えてるやつだけを取っても、また時間がたったら今隠れてるやつが次々と出てくる。最終的にどうなったかといったら、手術した割には寿命が延びなかったというデータが出ていて、結局差はなかったんです。 では、全く手術はしないのかといったら、僕も波線で説明したと思いますが、特殊な場合、例えば、さきほども言いましたように、イマチニブを入れます。 お薬を入れますよ、と申し上げたと思う。お薬を入れて、良く効いて、それで合併症なしに簡単に全部取れちゃう。見えているやつが少なくとも全部取れそうというやつに関しては、比較的まれですが取りにいく場合があります。これもうケースバイケースです。 ただそれで取れて、目に見えなくなったら、それで終わりというわけではなく、さきほども言いましたように、再発、転移のGISTのスタンダード、真ん中に走ってるのはイマチニブ治療であったり、薬物治療なんです。ですから、それを手術した後も続けるという前提で手術します。続けない人にはやらないです。続けない人にやっても予後は変わらないということはわかってるので、完全に取りきれて、転移が2、3個までという場合は、もしかしたらそういうオプションをすることがあります。 ただ、これはエビデンスがまだありません。小さな試験があって、前向きに中国とヨーロッパでやってみて、うまくいかなかったけれども、あとで解析してみたら、少し成績いい傾向じゃないの?というのが、データで出ているという理解です。だから確実にそうなるというわけではないので、特に専門医より治療を受けられたほうがいいと思います。 柳澤) ありがとうございます。同じ方の質問の中に、これは加藤さんに聞けばよろしいでしょうか。西田先生、およびがんセンターで受診するにはどうしたらいいですか?と質問があります。そういう場合はどのようにお答えされてますか?結構思っても書かない質問だと思ったので聞いてみました。 加藤) 西田先生の初診、もしくはセカンドオピニオンをご希望の方は、希少がんホットラインにお電話ください。毎週木曜日の午後から西田先生の診察が行われております。ただ院長のため、休診のこともありますので、事前に希少がんホットラインで、西田院長の休診日を確認していただけたらなと思ってます。 西田先生に診てもらいたいと、全国から電話がかかってきます。そういうことも考慮しながら、前日泊まって来られる方もいますが、午後遅い時間でも西田先生は対応しておりますので、当日来て当日帰れることもできます。その辺りも皆さんの居住地を考慮しながら予約させてもらいますので、どうぞご相談ください。 あとは、必ず紹介状を持って来てください。以前に西田先生に診てもらいたいというので、希少がんホットラインで数人予約はしていただいたのですが、本当に遠方から来ていただき、来たら紹介状持っていらっしゃらなかったということがあり、とんぼ返りされたということがありました。必ず、今かかってる先生に、西田先生宛の紹介状を書いていただいて来院いただくようよろしくお願いいたします。 西田) 僕だけが専門家ではないので、ほかに数人いらっしゃいます。例えば、同じがんセンターでも、東病院の土井先生や、内藤先生がいらっしゃいます。私が都合が悪ければ、柏まで足をのばしていただければ、土井先生、内藤先生、どちらかが必ず対応してくれますので、心配されなくても大丈夫だと思います。 加藤) 東病院の予約も、この希少がんホットラインできますので、土井先生、内藤先生、ご希望の方も、どうぞ希少がんホットラインのほうにお電話ください。 柳澤) テレビのモニターの前に、ホットラインの名刺サイズカードがありますから、それお持ちになればいいのではないですかね。今日のお話を聞いていくと、お薬と長い付き合いの病気になると思うので、くれぐれも今かかっておられる主治医や、医療機関の先生方と、アドバイスがあれば。 西舘) そうですね。私ども患者会のほうにお話しいただいた時には、まず主治医の先生が、どういう説明を受けたかということを、まず聞きます。 その患者さんが、どういうふうに理解をされたのか、あるいは先生がお話をされてるのに、患者さんのほうで理解をしてなかったんじゃないかとか、そういったことも考えながらお話を受けていますが、まずセカンドオピニオンや、専門の先生とすぐ、と言ったら語弊があるかもしれないですが、お考えになるとは思うんですけれども、まず主治医の先生としっかりお話をされて、その上で次の治療法を、また考えていただきたいなというのは、いつも考えていることです。 柳澤) そうですね。今かかっておられる先生のご意見と、お話を十分理解いただいてください。相談などは、お気軽に希少がんセンターも含めてできると思うので、電話されてみたらどうでしょうか? 次の質問です。西田先生が担当された今まで治療された患者さん、あるいは論文上で、今大きさによって予後や治療が変わってくるというお話もあったんですけども、例えば「腫瘍径が3センチ前後とか、経過観察中にそのぐらいの大きさの患者さんでも自然退縮など、経過観察で大丈夫だったという例はあるでしょうか?」という質問です。 西田) 講演の中で言いましたように、GISTと最初から診断が付いている人は少ないです。手術してGISTと診断がついてる人が圧倒的に多いので、GISTとして経過観察して大丈夫だったかと言われると、長い間大丈夫な人はわかりません、というのが本当です。 2、3年というデータはいくつかあって、例えば手術ができないような、ほかの病気があったりする方がいらっしゃいますよね。そういうのを、たまたま見つかったらGISTがあったっていうことがあるのですが、そういうデータが論文上はあり、徐々に大きくなってはいるけれど急激には大きくなっていない、というデータがあります。 ですから5センチぐらいまでとは言いませんけど、2、3センチのやつが急激に大きくなるのは、非常にまれだと思っていただいたらいいと思います。絶対ないかと言われると、申し訳ありません、何例か、1年後にはすごく大きくなっていたということがありますので、例外はありますけども、ほとんどは小さいGISTに関しては、先ほど言いましたように、経過観察していても、それほど危なくないと理解していただいていいかなと思います。 柳澤) ありがとうございます。できるだけ質問を進めます。60代の方で糖尿病も持っていらっしゃるかた。グリベックの治療やお薬の治療を、先生にご紹介いただきましたけども、合併症、糖尿病等があるときに、薬物治療や治療についてリスク、あるいは注意事項というのはありますか? 西田) 糖尿病の薬とは、薬剤の相互作用はそれほどなかったと思いますので、大きな問題は基本的にはないと思います。糖尿病は糖尿病として、きちっとお薬を内服していただいて、グリベックのほうは、それなりに飲んでいただければいいかなと思います。その辺は大丈夫だと思います。むしろ、血圧の薬のほうが、少し影響する場合があります。 柳澤) なるほど、先ほど副作用のことで言われていたようなことですね。 加藤さんは、さまざまなお問い合わせを頂くと思いますが、がんという病気自体の質問と、その人がもともと併せ持った、うちの両親もそうですが、合併症とか、そのような条件の場合、差し支えあれば聞き流して構いませんが、合併症があると国がんで治療を受けれないというような書き込みを見たりしました。それはどうですかね? 院長は、たぶんこのような質問は初めてだと思いますね。 西田) 実は私、前任は東病院におりましたので、東病院でもそういう質問を受けました。それも医師会から受けます。正直申しますと、例えば、腎臓の透析をされてる人とかいうのは、正直言って難しゅうございますけれど、例えば心臓に、いまステントが入ってる、あるいは心筋梗塞があるというので、特殊な補助がなければ手術ができないということを除けば、基本的には今はがんセンター引き受けて治療しています。 非常に特殊な場合、重篤な場合だけは、例えば、心筋症で非常に重篤な場合は、申し訳ないのですが、手術すること自体にリスクがあるので、大学病院や専門病院で治療いただくようにします。通常の合併症であれば基本的には、今、対応できるようにはなってます。 腎不全だけが申し訳ありません、例えば1週間とかいう一時的な透析はできるんですけども、パーマネントに透析ができる施設は、残念ながらないので、申し訳ありませんということでございます。 柳澤) その合併症の種類とか状況によるということですね。 この会が始まる前に、西舘さんと長く話す時間がありました。今日のような、東京でがんセンターがある。首都圏、都市部ならいいと思うんですが、この病気は地域に関係なく発症しますので、特に地方の方々が罹患されたときに、早期発見などわかりませんが、相談できるところや専門病院がないときは、どういうアドバイスをされていますでしょうか? あるいはどういう方法がありますか?西舘さんのほうから、なにかご助言ありましたら。 西舘) 本当に難しくて、今どこの病院でまずかかられたか、というお話を聞きます。その病院を、私どものほうで調べまして、心配ないなという場合もありますし、病院の評価ということではなく、その患者さんの状態や、心理的な状態などを考えたときに、「ちょっと遠いですけど、こういったところに専門の先生がいらっしゃいます」という話はさせていただいてます。 それは私どもの知る限りでの話ですので、最良ではないかもしれませんが、情報を提供することで少し落ち着いていただいたり、あらためて落ち着いて考えていただいたりということがありますので、そういった面では、お話をさせていただくことは、いいとは思っております。 ただ、完全な情報ではないというところが、まだ悩みの種ではあるところです。 柳澤) ありがとうございます。加藤さんは、東京以外の方の電話も受けると思いますが、いかかですか? 加藤) 全国の方からお電話いただくんです。東京に近ければ、どうぞがんセンターにって伝えることができますが、遠方の方の場合、まずアドバイスしているのが都道府県がん相談支援センターに検索システムというものがあって、GISTの症例数が何例ぐらいやってるか、ということを確認することができるんです。 ただ、2009年から2012~2013年ぐらいのデータと言われてるので、「目安としてそういうのを確認してみたらどうか?」と伝えてることと、あとは西舘さんの患者会ですね。GISTERSさんという患者会がありますよ、と紹介しています。 西田) 希少腫瘍研究会というホームページがありますし、同じようなホームページですがGIST研究会といった同じようなところなんです。そこに運営委員や専門施設の名前が挙げてありますので、そちらに行っていただくのもいいかな。それでもやはり遠方の方はいらっしゃいます。 最初の話に戻りますが、専門医で診ていただく部分と、地元の先生で診ていただく部分を、2回立てでやっていかないといけないかな、と。手術は非常に詳しい医師にやってもらい、術後のほうはそこまで毎回通わなくてもいいと思うんです。近くで診ていただいたらいいんじゃないかなと思います。 柳澤) ありがとうございます。ご助言いただいた2回立てで、手術と、全身管理と再発。検索で、薬物療法など専門的にやっていただけるとうれしいのですが、患者さんやそのご家族になると大丈夫なのかな?と思ってしまう人もいるんですけど、大丈夫ですよね? 今の先生に申し訳ないとか言っておられます。 西田) たぶん、お話しされれば、今の先生方、おわかりの方が多いです。100%全員とは正直言って私も申しませんけども、例えば胃がんなどであれば地元でやればいいでしょうし、希少がんというのは、ある程度はやはり経験のある病院で。手術が難しいからじゃないんです。手術をどのように組み立てて、そのあと、どのように経過をフォローしていくかという考え方の問題だと、思っていただければいいかな、と。 そこで考え方が決まれば、地元の病院でたぶんいいと思います。 柳澤) ありがとうございます。今日、講演の中であったお話が薬物療法、グリベック、スーテント(スニチニブ)、レゴラフェニブ、と、薬物療法がありますが、可知さんのほうに事前に調べてもらいましたが、今、可能性がある治験、走っている治験は、GISTでありますでしょうか? 可知) 先生の発表にもありましたが、私も海外も含めまして、いろいろと治験情報を調べましたが、日本では本当に2種類の治験しかなく、特に、新薬でいうとTAS-116というヒートショックプロテインという物質を、これは標準療法がなくなった方を対象に実施をしているもので、あと一つは先生の中でお話がありました、RESET Studyっといったところだけだと、私が調べる限りは思っています。 柳澤) はい。ありがとうございます。治験とか臨床試験というのは、ある日突然じゃないですけれど、計画をされて、発表されて、先生方でプロトコルが検討され、実施要項ですね。方法論が検討されて、オープンになって、参加施設が決まって、というプロセスを踏んでいくので、なかなか臨床試験や治験の情報は調べにくいです。GISTERSや「オンコロ」のサイト、Facebookでは、できるだけ情報を出すようにされてると思います。皆さんのところに治験のお問い合わせなど多いですか? 西舘) 患者会のほうには、それほど多くはないです。ただ、機会があればご紹介もできますし、実際に、その治験に参加された方もメンバーとしていらっしゃいますので、生の声といいますか、生の情報を得ることもできると思います。 柳澤) ありがとうございます。ご質問について、西田先生の講義の中でカバーされている内容と質問が重なってるものが多いですが、講義の中になかった質問、最後の質問として、コメントいただきたいです。GISTというか固形腫瘍の手術ができるがんでは、最近、ロボット手術が盛んに適用されたりとか、紹介されているけれども、GISTについては、そのデメリット、メリットについて教えていただけますか?という質問です。 西田) まずロボット手術。今、適用になっている範囲では、GISTがあるところは入っていないのです。前立腺がんとかではないので、一つは保険適用がない。例えば、特殊な大腸がんであれば、先進医療ができるんですけれど、今のところ、それを受ける状況ではない。 もっと正確に言うと、ロボットでやったほうが成績が上がるか、GISTの手術が上がるかといったら、私の腹腔鏡の経験からいくと、そんなに変わんないだろうな、と。腹腔鏡で、正式に言ったら、縫合結紮(ほうごうけっさつ)と言うのですが、縫う技術を持ってる人がやれば、基本的にはロボットでやっても中身は同じ。ただ、ロボットでやった方が、たぶん慣れれば早いだろうなとは思います。 ただ、予後に関しては、先ほど言いましたが、あまり大きくは変わらないと思います。 柳澤) ありがとうございます。規定の時間も、5分ぐらい過ぎてしまいましたので、本当に名残惜しゅうございますけれども、今回のセッションは閉会したいと思います。皆さん、ご協力どうもありがとうございました。
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鳥井 大吾

法政大学経済学部 卒業後Webマーケティング会社に入社。営業、SEO施策、Webサイト解析、制作ディレクション業務を行う。社会人2年目で粘液型脂肪肉腫に罹患するも治療を経て復職。2016年4月に自身のがん体験を活かすべく3Hクリニカルトライアルに転職し、2019年10月までオンコロの運営に携わる。

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