ミスマッチ修復機構


  • [公開日]2018.02.21
  • [最終更新日]2018.02.21

ミスマッチ修復機構とは、DNAを複製(コピー)する時に生じた、塩基のミスマッチ(間違った対合や塩基の誤挿入、欠失など)を修正するDNA修復機構の1つです。細胞が2つに分裂する時には、持っているDNAと全く同じをコピーをもう一つ作成し、分裂する細胞にそれぞれ一つずつ分配します。DNAをコピー(複製)する酵素は、自分でコピーミスを修正する機能を持っていますが、それでも1,000万回に1回は、コピーミスを起こします。このコピーミスを修正するのが、ミスマッチ修復機構です。ミスマッチ修復を行う酵素に異常があると、コピーミスを修復できなくなり、細胞分裂を繰り返すごとに、コピーミス(遺伝子変異)が蓄積され、がん化を引き起こします。リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸癌、Hereditary Nonpolyposis Colon Cancer:HNPCC)は、ミスマッチ修復酵素であるMLH1、MSH2、MSH6、PMS2の異常が原因であることが知られています。ミスマッチ修復酵素に異常があると、マイクロサテライト(DNAの中で1~数塩基の塩基配列が繰り返す部分)のコピーミスが起こりやすくなり、腫瘍組織と正常組織でマイクロサテライトの反復回数に違いが生じます。これをマイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability:MSI)と呼び、リンチ症候群の90%以上で認められます。

作成:株式会社インテリム
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