ハザード比とは統計学上の用語で、臨床試験などで使用する相対的な危険度を客観的に比較する方法です。英語でHezard Ratio、略してHRとも言います。

ある臨床試験で検討したい新薬Aと比較対象の薬剤Bとを比べたとき、ハザード比が1であれば2つの治療法に差はなく、ハザード比が1より小さい場合には治療Aの方が有効と判定され、その数値が小さいほど有効であるとされます。 例えばA薬と対象のB薬を比較するというある臨床試験でハザード比が0.94という結果であれば、A薬はB薬よりリスクを6%減少させたという意味になります。

なお、『ハザード』とは以下のことを指します。
・イベントの発生率:発症率、罹患率、死亡率など
・発生する速度(スピード)、強さの指標
・単位時間あたりのイベントの発生、単位は時間-1。割合 (%) とは異なる(割合は単位無し)。たとえば、「治療法A 10人を3年ずつ観察し2人亡くなった」は、「2人 / 30人年」となる。「治療法B 6人を5年ずつ観察し1人亡くなった」は、「1人 / 30人年」となる。
・良いイベントは、ハザードが大きい方が好ましい。悪いイベントは、ハザードが小さい方が好ましい。たとえば、治療法の比較においては、死亡率が小さい方が好ましい。
・ハザードが x 倍(ハザード比 x )になると 生存率は x 乗となる。
 例:ハザードが2倍→生存率は2乗 治療法AとBのハザード比が2 Aの5年生存率80%→Bの5年生存率(0.8)2=64%

作成:株式会社インテリム×オンコロ

第10回ONCOLO Meets Cancer Experts(OMCE)「医学統計家から見る 余命に関わるウソとホント」のスライドより抜粋※演者:東北大学大学院医学系研究科 医学統計学分野 東北大学病院 臨床試験データセンター 山口 拓洋

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