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非ホジキンリンパ腫の新薬コパンリシブについて
癌細胞の増殖、分化経路に関連性のあるPI3K。この酵素を阻害することで抗腫瘍効果を発揮する可能性が高いことから、複数の癌腫で創薬のターゲットとして注目されています。
しかし、PI3KをターゲットとするPI3K阻害薬は有効性が高い反面、その副作用が懸念されるため臨床応用可能な薬剤かどうかが疑問視されていました。
コパンリシブ
が2017年3月31日に米国癌学会議(AACR)でCHRONOS-1試験の結果を発表するまでは。この報告では、コパンリシブが再発又は難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫患者さんに対してコパンリシブを投与すると奏効期間が687日継続することが判ったのです。
Phase II Copanlisib Data Show Durable Tumor Response in Indolent Non-Hodgkin’s Lymphoma
つまり、腫瘍効果を維持しつつ、発症する副作用は投与中止に至らない、コントロール可能な副作用だったのです。
コパンリシブの薬剤概要
製品名
未定
一般名
コパンリシブ(copanlisib)
用法用量
未定
効能効果
未定(再発又は難治性の非ホジキンリンパ腫)
主な副作用
未定(吐き気、一過性の高血糖)
製造承認日
未定
コパンリシブの作用機序
PI3K阻害薬であるコパンリシブは、PI3K-δとPI3K-αを阻害することで抗腫瘍効果を発揮します
コパンリシブの最新文献
1)First-in-human phase I study of copanlisib (BAY 80-6946), an intravenous pan-class I phosphatidylinositol 3-kinase inhibitor, in patients with advanced solid tumors and non-Hodgkin’s lymphomas.
文献の概要
進行性の非ホジキンリンパ腫患者さんに対して、28日を1サイクルとする1、8、15日にコパンリシブ0.8mg/kgを静脈投与し、その忍容性を検証する試験。その結果、コパンリシブのMTDは0.8mg/kgであることが判った。
文献の出典
Annals of Oncology
文献の発刊日
2016年10月27日
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コパンリシブの治験情報
1)Japanese Phase Ib/II Copanlisib in Relapsed, Indolent B-cell NHL
治験の概要
標準治療後に再発又は難治性を示した日本人の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫患者さんに対してコパンリシブを投与して、その安全性と薬物動態を検証する治験
治験の期限
2019年3月31日
参考資料
1)バイエル薬品株式会社プレスリリース
2)造血器腫瘍診療ガイドライン