※本記事はEvaluate社の許可のもと、オンコロが翻訳したものです。内容および解釈については英語の原文を優先します。正確な内容については原文をお読みください。
Lag3阻害剤はメラノーマで承認されたが、ブリストル社はより安全なヤーボイの探求を止めることはなさそうだ。 米ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)を補完するためにヤーボイ(一般名:イピリムマブ)よりも毒性の低い薬剤を求めていたが、この戦略の最初の柱はレラトリマブによって整った。現在Opdualagという商標を有するオプジーボ+レラトリマブ併用療法は、先週(3月18日)に遅滞なく、添付文書に厄介な記載(警告)もなく、メラノーマ(悪性黒色腫)の一次治療薬として承認された。 投資家は当然、ブリストル社が何を隠し持っているのかを知りたがるだろう。EvaluateのVantageチームの分析では、4,000人以上の患者を対象とした9つの追加試験が特定されており、これはレラトリマブが転移性メラノーマ以外の新たな適応症においてもオプジーボの増強薬となるのか、あるいはヤーボイに取って代わる可能性があるのかを探る手がかりとなるはずだという。 もちろん、ブリストル社はヤーボイをあきらめるつもりはない。同剤は、免疫系の活性化を原因とする多くの副作用があるにもかかわらず、昨年(2021年)の売上は20%増の20億ドルに達した薬剤である。 しかし、例えばみずほ証券のアナリストは、メラノーマの一次治療においてOpdualagがオプジーボ単剤療法に取って代わり、オプジーボ+ヤーボイ併用療法のシェアのかなりの部分を獲得すると、すでに予測している。この見解は、Opdualagの安全性プロファイルが優れていることに基づくが、アナリストは、この適応でオプジーボ+ヤーボイ併用療法よりもOpdualagを優先して検討するためには、長期生存データの直接比較が必要であると強調している。 肺がん おそらくレラトリマブの次の大きなリードアウトは、非小細胞肺がん(NSCLC)に対するフロントライン治療としての試験において、オプジーボ±化学療法のレジメンをオプジーボ単剤療法と比較することであろう。この試験では、無増悪生存期間(PFS)を主要評価項目とするが、それ自体が承認申請の裏付けとなるかどうかは不明である。 1つの難点は、この試験で適切な対照薬が使用されていないように見えることだ。オプジーボ単剤療法はNSCLCのフロントライン治療として承認されていないが、PD-L1発現率1%以上のNSCLCではヤーボイとの併用で、また全例ではヤーボイと化学療法の併用で使用できる。 一方、2025年にデータが得られるかもしれないRelativity-098試験は、オプジーボとヤーボイが単剤療法としてともに承認されているものの、米メルク社のキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)という競合薬が存在するメラノーマの術後補助化学療法にOpdualagの適応を拡大するために実施される第3相試験だ。 また、clinicaltrials.govによると、ブリストル社がスポンサーとなっているレラトリマブに関する最大の試験であり、今年(2022年)9月に主要な完了日を迎える固形がんに関する試験も侮れない。この試験にはさまざまな固形がん患者が登録されており、興味深いことに、レラトリマブ単剤とオプジーボとの併用療法が検討されている。 形式的には、主に全奏功と有害事象を試験する第1/2相試験だが、ブリストル社がさらにどのがん種に焦点を当てるべきかについて、重要な洞察を与える可能性がある。2013年に開始した同試験では、168名の被験者を登録する予定だったが、現在では1,499名の被験者を登録することを目標としている。 Opdualagの転移性メラノーマに対する承認の裏付けとなったRelativity-047試験における重篤な治療関連有害事象の発生率は19%であり、対するオプジーボ+ヤーボイ併用療法の主要試験であるCheckmate-067試験での発生率は59%だった。このような安全性の優位性が見込めるだけでも、5,000人以上の患者を組み入れる第2相、第3相試験にブリストル社が投資する説明はつく。 ■出典 What’s next for relatlimab?