Exelixis社のある製品における開発パイプラインの日没Evaluate Vantage(2023.3.3)より


  • [公開日]2023.03.10
  • [最終更新日]2023.03.09

※本記事はEvaluate社の許可のもと、オンコロが翻訳したものです。内容および解釈については英語の原文を優先します。正確な内容については原文をお読みください。

カボメティクス(一般名:カボザンチニブ)の最新の治療失敗を受け、米Exelixis社は将来の成長のために後続のプロジェクトに頼らざるを得ないかもしれない。

カボメティックスはExelixis社にとって大きな成功を収め、腎がんの一次治療におけるオプジーボ(一般名:ニボルマブ)との併用療法として使用され、同社は50億ドル以上の評価額を得るに至った。しかし、他の領域への拡大計画は空振りが多く、昨日(2023年3月2日)、Contact-03試験は失敗となった。

Contact-03試験は、腎がんにおけるカボメティクスの二次治療への適応拡大を目指したものであり、その失敗により、まだ公表されていない注目すべき適応拡大試験は1つだけとなった。Exelixis社は、カボメティクスの背後にある初期段階の研究開発パイプラインを静かに構築しており、今後これらのプロジェクトにますます焦点が当てられると思われる。

その中で最も重要なのは、カボメティクスと同様、VEGF血管内皮細胞増殖因子)をはじめとするキナーゼを標的とするExelixis社独自の次世代低分子化合物であるZanzalintinib(XL092)である。Zanzalintinibは、大腸がんを対象としたテセントリク(一般名:アテゾリズマブ)との併用試験である Stellar-303試験試験と、腎細胞がんを対象としたオプジーボとの併用試験である Stellar-304試験という2つの第3相試験を実施している。

Stellar-304試験は、Exelixis社/仏Ipsen社が昨年米国で14億ドルの売上を記録した腎がんの一次治療におけるカボメティクスの成功を再現することを目的としている。カボメティクスは、肝臓がんや甲状腺がん(Cometriqブランドを含む)の二次治療でも承認されているが、これらの用途は比較的マイナーである。

免疫チェックポイント阻害剤後の流れ

カボメティクス単剤は腎がんの二次治療薬として承認されており、Exelixis社は、第一選択の標準治療であるチェックポイント阻害剤が無効となった患者を対象としたContact-03試験において、スイス・ロシュ社のテセントリクと併用し、その地位を強化しようとしていた。

昨日、Exelixis社は、Contact-03試験が無増悪生存期間PFS)において、カボメティクス単剤と比較して失敗したと発表し、もう1つの主要評価項目である全生存期間OS)の延長についても、達成の見込みは低いと思われる。チェックポイント阻害剤が無効となった患者に対して、抗PD-(L)1薬で再び感受性を高めようとすることには論理性があったが、明らかにそれが機能していない。

今回の失敗は、カボメティクスを肝臓がんの第一選択薬へと移行することを目指したCosmic-312試験と、Contact-03試験と同様にチェックポイント阻害剤が無効な症例に対し、再度PD(L)1療法への反応性を誘導しようとした肺がんのContact-01試験の失敗に続くものであった。Cosmic-313試験は、カボメティクスの腎がんにおける一次治療の位置づけを強化することを目指したが、研究レベルで成功したに過ぎなかった。

一方、第1/2相Cosmic-021試験のコホート6では、イクスタンジ(一般名:エンザルタミド)またはザイティガ(一般名:アビラテロン)で進行した前立腺がん患者を対象にカボメティクスとテセントリクを組み合わせた試験を行ったが、奏効率はわずか18%であった。Exelixis社は当初、この試験結果を承認への足がかりとすることを目指していたが、この計画を断念し、対照試験であるContact-02試験の結果を待つことにした。

Contact-02試験は、カボメティクスの適応症を拡大する可能性のある最後の重要な試験であるため、この計画は今、注目されている。下半期にはイクスタンジ/ザイティガとの併用療法のPFSデータが得られるはずだが、Cosmic-021試験の残念な結果を考えると、成功への道のりは遠そうだ。

もし、Zanzalintinibに注目するならば、このプロジェクトの第1相Stellar-002試験に焦点を当てるべきであり、いくつかのがん領域で多くの併用療法の評価が行われている。

また、カボメティクスの拡大計画がいかに期待外れであったとしても、この薬はExelixis社にとって今後しばらくは大きな意味を持ち続けるであろうことも留意すべきである。Evaluate Pharma社のセールスサイドのコンセンサス予測では、収益がピークに達するのはもう3年後であり、その時点でIpsen社の米国外での貢献分を含め、全世界で30億ドルを大きく上回ることになる。

ただし、このうち80%以上を占めるのは腎がんであるが。

■出典
sun-sets-exelixiss-pipeline-product

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