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チソツマブ ベドチン 子宮頸がん寛解率ベンチマークを上回る

[公開日] 2020.08.03[最終更新日] 2020.08.03

目次

※本記事はEvaluate社の許可のもと、オンコロが翻訳したものです。内容および解釈については英語の原文を優先します。正確な内容については原文をお読みください。

 

米国規制当局を説得するのに十分な寛解率(24%)を達成とアナリストはみなす。

ジェンマブ社とシアトルジェネティクス社のチソツマブ ベドチンが以前の臨床試験において二次治療以降の子宮頸がん患者群で示した36~46%という寛解率に近づくことは、非常に困難であるということは初めからわかっていた。これは昨日(6月30日)、このがんに特化して実施されたInnova-204試験のトップラインのデータで証明されたが、その奏効率は24%と、より控えめであった。組織因子抗体-薬物複合体であるチソツマブ ベドチンの承認を取得するために、これまでのデータだけで以て規制当局を納得させることができるのであろうか。強気の見方では、チソツマブ ベドチンは来年、卵巣がんを対象に発売され、ジェンマブ社として初の自社開発・自社販売薬となると目されている。

米金融サービス・ジェフリーズ社のあるアナリストは、Innova-204の結果が「ジェンマブ社初の上市に向けて、米国での申請に役立つであろう」と考えている。同社は今朝投資家向けに、チソツマブ ベドチンのピーク時の年間売上高は6億ドルで、その半分は子宮頸がんであるとの予想を発表している。Evaluate Pharma社がまとめた証券会社のコンセンサスでは、同医薬品の2026年売上高を3億6900万ドルと予想している。

複数の固形腫瘍を対象に以前実施された試験であるジェンマブ社のGEN701では、チソツマブ ベドチンの投与によって子宮頸がんの三次治療群で46%、二次治療群では36%が寛解に至ることが示されたが、 Innova-204におけるベンチマークは20%であった

救援療法としてのほとんどのがん臨床試験と同様、Innova-204には対照群がなかった。過去には、化学療法による三次治療ORR10%に対して、メルク社のキイトルーダはORR (全奏効率)14%を示したことから、同薬がPD-L1陽性患者の二次治療薬として承認されたことがある。(Keynote-158試験)

チソツマブ ベドチンの真価は如何に

Innova-204試験の全容が発表されれば(今年の欧州臨床腫瘍学会がその場となる可能性がある)、アナリストは間違いなくベースラインとなる患者の背景を掘り下げたいと思うだろう。患者は全身療法を2回まで受けていることが条件となっているため、初回承認の可能性が高い三次治療群における正確な効果を解明しなければならない。

もう一つの懸案事項は、チソツマブ ベドチンの毒性が同剤がもたらすかもしれない余命の質に、影を落とさないかどうかという点である。Innova-204試験では、少なくとも20%の患者が脱毛症、鼻血、吐き気、結膜炎、疲労、ドライアイに苦しんでいたと両社は開示している。

子宮頸がんを対象とした別の試験であるInnova-205の行方も気になるところである。この試験では、チソツマブ ベドチンとアバスチン、キイトルーダ、化学療法との併用療法を検討しており、来年中には何らかの結果が発表されるであろう。この試験には一次治療の患者も含まれている。

ジェンマブ社とシアトルジェネティクス社の共同開発は10年前までさかのぼり、2011年にはシアトルジェネティクス社が第1相試験以降のチソツマブ ベドチンのオプトイン権を取得した。シアトルジェネティクス社に共同開発・共同販促の権利を与えるこのオプションは、GEN701試験のデータが出そろったあとの2017年に行使された

TukysaやPadcevのような最近承認された薬(日本では未承認)を通じて、シアトルジェネティクス社はアドセトリスへの依存を徐々に減らしている。チソツマブ ベドチンは、シアトルジェネティクス社にとってもジェンマブ社にとっても重要である。

■出典 Tisotumab’s cervical cancer efficacy falls off
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