卵巣癌の新薬ルカパリブについて
卵巣癌は女性器悪性腫瘍の中では最も予後の悪い癌です。進行卵巣癌(ステージ3、4)の5年生存率は、シスプラチンなどの登場により治療成績が向上するも、その生存率は20%台になります。 卵巣癌の予後改善を目指してシスプラチン以外にも、パクリタキセル単剤、パクリタキセルにカルボプラチンを併用したTC療法など、様々な治療方法が試されているも、治療成績を向上する標準治療の発見にはまだ難しいのが現状です。しかし、 ルカパリブ の登場により、卵巣癌の治療成績は向上する可能性があります。なぜなら、卵巣癌の予後が悪い理由の1つに、BRCAといわれる遺伝子変異の存在があるからです。 BRCA遺伝子とはがん抑制遺伝子であり、BRCA遺伝子に変異があると卵巣癌の発症リスクが高くなると考えられています。また、BRCA遺伝子変異の患者さんは既存の化学療法に対して治療効果が良くありません。 ルカパリブはBRCA遺伝子変異がある再発難治性卵巣癌の患者さんに対して、既存の治療薬よりも有効性が高いことが証明されておりますので期待できます。ルカパリブの薬剤概要
製品名
Rubraca一般名
ルカパリブ(rucaparib)用法用量
未定(ルカパリブ300mgを1日2回経口投与する)効能効果
BRCA遺伝子変異陽性再発難治性卵巣癌主な副作用
悪心、倦怠感、嘔吐、貧血、腹痛、味覚異常、便秘、食欲不振、下痢、血小板減少、呼吸困難製造承認日
・2016年12月19日(アメリカ)ルカパリブの作用機序
ルカパリブはBRCA1/2遺伝子の機能不全によりがん化した細胞に対して、PARPというDNAを修復する遺伝子を特異的に阻害することで細胞死を誘導します。ルカパリブの最新文献
1)Rucaparib in relapsed, platinum-sensitive high-grade ovarian carcinoma (ARIEL2 Part 1): an international, multicentre, open-label, phase 2 trial.文献の概要
プラチナ製剤に感受性の高い難治性卵巣癌患者さんに対して、ルカパリブ600mgを1日2回投与し、その有効性(PFS)を検証した第二相試験。その結果、ルカパリブはBRCA遺伝子野生患者さんよりもBRCA遺伝子変異患者さんの方が有効性が高いことが判った。文献の出典
Lancet Oncology文献の発刊日
2017年1月18日ルカパリブの口コミ
医師のコメント
https://twitter.com/Vilavaite/status/811251766910185474その他医療関係者のコメント
New Drug Trials Snapshot available for Rubraca (rucaparib): https://t.co/MEhGB4i7tx
— FDA Drug Information (@FDA_Drug_Info) 2016年12月27日
The FDA has approved rucaparib and a companion genetic test for advanced deleterious BRCA-mutated #ovariancancer → https://t.co/slrP4cXble
— Clearity Foundation (@ClearityFnd) 2016年12月24日
Biotech Stock Mailbag: Why $CLVS is Trading Lower on Rubraca Study Update —> https://t.co/8R5ikcsUOK The PARP wars! $TSRO $AZN
— Adam Feuerstein (@adamfeuerstein) 2017年5月4日