目次
ポイント
本試験は、遠隔転移のない未治療高リスク去勢抵抗性前立腺がん患者を対象とした第2世代抗アンドロゲン製剤ARN-509の効果を評価する第3相臨床試験です。<一般的な説明>
試験概要
未治療去勢抵抗性前立腺がん患者のうち、高リスク(PSA倍加時間10か月以内)且つ遠隔転移のない方を対象として、第2世代抗アンドロゲン製剤ARN-509の効果をプラセボ(偽薬)を対象として有効性と安全性を評価する第3相臨床試験です。治験薬剤の説明
アンドロゲンは男性ホルモン(テストステロン、デビドロエビアンドロステロン等)の総称であり、筋肉や骨筋肉や骨の形成を促したり、精子の産生や男性機能に深く関係する重要なホルモンですが、前立腺がんも同様に男性ホルモンの影響を強く受けています。 アンドロゲンは、95%が精巣(睾丸)で、5%が副腎で作られています。これらの臓器から作られたアンドロゲンがアンドロゲン受容体の結合するとがん化するということがわかっていますが、これをブロックするのがARN-509(JNJ-56021927)です。ARN-509は、精巣だけでなく副腎で作られたアンドロゲンの働きも同時に抑えることが期待できる薬剤です。抗アンドロゲン製剤と呼ばれています。主な参加条件等
この試験の対象となりうる方
- 18歳以上の方
- 組織診又は細胞診で前立腺癌と確定診断された方(神経内分泌がん及び小細胞がんを除く)
- 転移のリスクが高い方⇒ADT(アンドロゲン遮断療法)継続中に測定された少なくとも3つのPSA値において、PSA倍加時間(PSA値が2倍量になるまでの時間)が10カ月以下である方
- ADT(アンドロゲン遮断療法)を継続的に実施中又は1週間以上の間隔で3つのPSA値の上昇をみとめ,かつ直近のPSA値が2ng/mLを超えている去勢抵抗性前立腺がんの方
- ECOGパフォーマンスステータスが0-1の方
この試験の対象とならない方
- 遠隔転移が確認された方
- 医学的介入が必要な症候性局所領域症状をお持ちの方
- 第二世代の抗アンドロゲン剤(エンザルタミド等)による治療歴がある方
- CYP17阻害剤による治療歴がある場合(アビラテロン等)による治療歴がある方
- 放射性医薬品(ストロンチウム-89等),免疫療法(シプロイセル-T 等),又はその他の NM-CRPC に対する試験的治療による治療歴がある方
- 前立腺がんの化学療法(ドセタキセル、カバジタキセル等)による治療歴がある方(アジュバント / ネオアジュバント療法を除く)
- 痙攣発作の既往を有するか,又は痙攣発作を起こしやすくする可能性のある方
- 5年以内の悪性腫瘍の既往
- 6カ月以内に発現した重度/不安定狭心症、心筋梗塞、症候性うっ血性心不全,肺塞栓症、一過性脳虚血発作を含む脳血管障害及び臨床的意義のある心室性不整脈/コントロール不良な高血圧、吸収に影響を与える胃腸疾患、活動性感染症など
臨床試験公開情報
JapicCTI-No. : JapicCTI-163123(最終更新日2016/1/6)詳細はコチラ ClinicalTrials.gov Identifier : NCT01946204 (最終更新日2016/3/7)詳細はコチラ治験概要
非転移性(M0)去勢抵抗性前立腺癌男性患者を対象とした,ARN-509 の多施設,ランダム化,二重盲検,プラセボ対照,第3相試験
対象がん種 | 前立腺がん(去勢抵抗性前立腺がんCRPC) |
フェーズ | P3 |
実施期間 | 2015年3月1日 ~ 2016年12月31日 |
実施国 | 日本、米国、オーストラリア、オーストリア、ブラジル、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、イスラエル、ベルギー、カナダ、韓国、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スペイン、スウェーデン、台湾、英国 |
目標症例 | 1200 |
状況 | 募集中 |
手法 | ランダム化、二重盲検 |
開発コード:ARN-509 (JNJ-56021927)、商品名:- | |
種類 | ホルモン製剤(第二世代抗アンドロゲン剤) |
投与経路 | 経口投与 |