目次
- 1 慢性骨髄性白血病とは
- 2 慢性骨髄性白血病の新薬ポナチニブ(アイクルシグ)について
- 3 ポナチニブ(アイクルシグ)の薬剤概要
- 3-1
- 3-2
- 3-3
- 3-4
- 3-5
- 3-6
- 4 ポナチニブ(アイクルシグ)の作用機序
- 5 ポナチニブ(アイクルシグ)の最新文献
- 6 ポナチニブ(アイクルシグ)の口コミ
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- 7 ポナチニブ(アイクルシグ)の治験情報
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慢性骨髄性白血病とは
白血病とは血液のがんです。血液細胞は大きく分けて赤血球、血小板、白血球があり、白血球は、リンパ球、顆粒球、単球の総称です。 これら細胞はもともとは造血幹細胞という細胞から変化してできますが、その変化する過程は2種類あります。 造血幹細胞から赤血球、血小板、単球、顆粒球ができる過程を骨髓系、造血幹細胞からリンパ球ができる過程をリンパ系と呼びます。 慢性骨髄性白血病が「骨髄性」と呼ばれるのは、白血球、赤血球、血小板をつくる過程で造血幹細胞ががん化することからです。 ちなみに、「慢性」と呼ばれるのは急性骨髄性白血病のように貧血、発熱、脾臓の腫れなどの症状が初期にはない、もしくはあっても軽く、進行すると急性白血病と同じような症状があらわれることから「慢性」と呼びます。慢性骨髄性白血病の新薬ポナチニブ(アイクルシグ)について
慢性骨髄性白血病の原因はBCR-ABL遺伝子が作り出すBCR-ABLチロシンキナーゼです。BCR-ABLチロシンキナーゼが白血病細胞を増殖させる指令を出し続けるため、体内で白血病細胞が増殖し続けます。 BCR-ABL遺伝子はフィラデルフィア(Ph)染色体と呼ばれる異常な染色体上に出現しますが、慢性骨髄性白血病の患者の95%はフィラデルフィア(Ph)染色体を持っていることが判ってます。 そのため、慢性骨髄性白血病の治療戦略はBCR-ABLチロシンキナーゼを阻害する、イマニチブ、ダサチニブ、ニロチニブなどのBCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬が投与されます。 これらBCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬の登場により慢性骨髄性白血病の症状の段階にもよりますが、治療成績は劇的に向上しました。特に慢性期の段階においては、イマチニブがアメリカで承認された2001年以降の寛解率は90%を超えます。 しかし、イマニチブ、ダサチニブ、ニロチニブを持ってしても慢性骨髄性白血病を寛解できない患者さん、または副作用により治療継続ができない患者さんは存在します。そんな患者さんのために開発されたのが アイクルシグ です。アイクルシグはin vitro試験において、野生型BCR-ABLまたは変異型BCR-ABL細胞の発現するBa/F3細胞の増殖を阻害する力が、ポナチニブ、ニロチニブよりも強力であり、ダサチニブと同程度以上であることが判っています。ポナチニブ(アイクルシグ)の薬剤概要
製品名
アイクルシグ一般名
ポナチニブ塩酸塩用法用量
45mgを1日1回経口投与効能効果
1)前治療薬に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病 2)再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病主な副作用
発熱、血小板数減少、高血圧、リパーゼ増加、好中球数減少、発疹、皮膚乾燥、ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加、便秘、γ-GTP増加、白血球数減少、薬疹、筋肉痛、血中ALP増加、末梢性浮腫、発熱性好中球減少症製造承認日
・2016年9月28日(日本)ポナチニブ(アイクルシグ)の作用機序
ポナチニブは野生型BCR-ABLと、他の治療薬に対して抵抗性となる変異型BCR-ABLを含むBCR-ABLに対して阻害作用を示します。BCR-ABLとは、慢性骨髄性白血病とフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の発症原因となる異常なチロシンキナーゼです。ポナチニブ(アイクルシグ)の最新文献
・2016年4月12日 1)Ponatinib versus imatinib for newly diagnosed chronic myeloid leukaemia: an international, randomised, open-label, phase 3 trial 新規慢性骨髄性白血病患者の一次治療としてイマチニブとポナチニブの有効性を比較した臨床試験。有効性はポナチニブの方が高いものの、動脈閉塞関連の副作用がポナチニブの方が高いことが判った。ポナチニブ(アイクルシグ)の口コミ
医師のコメント
#ASH16 #leusm Sasaki: hCVAD + ponatinib for Ph+ ALL. Ponat started at 45mg then deescalated when molecular CR attained. pic.twitter.com/bqFBP53MvO
— Aaron Logan, MD, PhD (@hemedoc) 2016年12月5日
がんナビ:T315I変異にも有効なCML治療薬のポナチニブが承認 https://t.co/PWppyBfLUY 「治療選択肢が限られている患者に倫理的観点から、本日より薬価基準収載までの期間、無償提供」「国内フェーズ1/2試験実施施設のうち、薬剤提供の受け入れ可能な一部の施設」
— 森 勇一 (@ymori117) 2016年10月5日
慢性骨髄性白血病 グリベックよりもポナチニブが強い有効性を示唆、ただし副作用が強すぎることが懸念点 Lancet https://t.co/1s18iityt3
— 中村 幸嗣 (@yukitsugu1963) 2016年4月26日
効果は早いが副作用は強い
第2世代が出てきた時にも効果は早いと宣伝されたが、OSに差は出ていない
多分最初は使わない
MEDLEY:白血病の治療薬ポナチニブ、「94%」達成の反面に副作用も https://t.co/dhxZJkc92l 国内のサイトで、副作用をきちんと書いてあるところは他に見かけなかった。T315I変異陽性に有効な唯一のTKIであることに言及されていれば完璧だったと思う。
— 森 勇一 (@ymori117) 2016年2月5日
Medscapeより。米国血液学会2013の慢性骨髄性白血病関連まとめ。新規チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)ポナチニブの効果と心血管リスク増大をどう捉えるか。第2世代TKIの長期成績と解釈。イマチニブ中止試験。 http://t.co/b9BBUO3u3C
— 森 勇一 (@ymori117) 2014年1月1日
血液腫瘍だとアントラサイクリン系以外にはCML治療に使われるTKIによる心血管イベントの増加が問題だろうなあ.今度出てくる第3世代TKIのponatinibは年10%程度のリスクがあったような気がする
— 陰キャ内科医 (@inkya_physician) 2016年10月16日
ポナチニブもうFDA承認。NYTはグリベックの孫といってますhttp://t.co/UKKcCdZu
— 上 昌広 (@KamiMasahiro) 2012年12月17日
その他医療関係者のコメント
Lawmakers Question Price Hikes for Ponatinib https://t.co/91egstrL5E via @ASHClinicalNews
— ASH (@ASH_hematology) 2016年11月16日
大塚HD-反発 米アリアドと難治性白血病治療薬の共同開発・商業化で契約締結 http://t.co/n2FZPC9w6s 大塚製薬は、日本・アジアにおいて、アリアド社からポナチニブの独占販売権を取得し、今後、ポナチニブの販促活動に注力していく考え。
— gorinotsukudani (@gorinotsukudani) 2014年12月24日
FDAが「ポナチニブ」を慢性骨髄性白血病(CML)と、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)に適応承認とのニュース。迅速承認プログラムで承認されたとのこと。http://t.co/6vERswKq
— Mami Koga (@mamichandesuyo) 2012年12月31日