2017年6月2日 (金)から6月6日(火)までアメリカのシカゴでASCO(米国癌治療学会議)2017が開催されています。昨年の引き続き今年の注目は免疫チェックポイント阻害剤です。

なかでも注目は、2017年5月23日にFDAから”切除不能/転移性の高度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)を示すフルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療後に進行した大腸がん”で効能追加が承認された大腸がんの新薬キイトルーダ(ペムブロリズマブ)です。

そこで本日はASCO2017で発表予定の大腸がんの新薬キイトルーダ(ペムブロリズマブ)に関する4つの演題をご紹介します。

A phase II study of pembrolizumab in combination with mFOLFOX6 for patients with advanced colorectal cancer.

未治療の切除の適応のない進行再発大腸がん患者に対してキイトルーダ(ペムブロリズマブ)+FOLFOX併用療法を投与した試験の結果です。

キイトルーダ(ペムブロリズマブ)はミスマッチ修復機構欠損(dMMR)を持つ大腸がんに対して単剤療法ではその効果が証明されておりますが、ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)に関係なく、かつFOLFOXなど他の抗癌剤との併用療法での効果が証明されておりませんでしたのでこの結果は注目です。

Response to pembrolizumab in patients with mismatch repair deficient (dMMR) colorectal cancer (CRC).

ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)を有する再発難治性大腸がん患者19人に対してキイトルーダ(ペムブロリズマブ)単剤療法を投与して、OS(全生存期間)、PFS(無増悪生存期間)、RR(奏効率)を検証した試験の結果です。

この試験の結果は過去にも発表されておりますが、さらなるデータ解析を経ての試験結果ですので、より正確な報告として注目されています。

Multicenter phase I/II trial of BBI608 and pembrolizumab combination in patients with metastatic colorectal cancer (SCOOP Study): EPOC1503.

進行再発大腸がん患者に対してキイトルーダ(ペムブロリズマブ)ナパブカシン併用療法を投与した試験の結果です。
キイトルーダ(ペムブロリズマブ)はマイクロサテライト不安定性のある (Microsatellite instability: MSI) 大腸がん患者に対して単剤でその効果が証明されておりますが、マイクロサテライト不安定性のない (Microsatellite stable: MSS)大腸がん患者に対して単剤でその効果が証明されておりません。

この効果が証明されない理由としては、WNT/β-カテニンシグナル伝達とSTAT3という遺伝子が免疫チェックポイント阻害剤の効果の阻害と関係していると考えられています。そこで、STAT3阻害剤であるナパブカシンと併用することでキイトルーダ(ペムブロリズマブ)の効果は証明できるのか?その結果が注目です。

Phase 3, open-label, randomized study of first-line pembrolizumab (pembro) vs investigator-choice chemotherapy for mismatch repair-deficient (dMMR) or microsatellite instability-high (MSI-H) metastatic colorectal carcinoma (mCRC): KEYNOTE-177.

マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)を示す再発難治性大腸がん患者に対してキイトルーダ(ペムブロリズマブ)単剤療法と、標準治療(FOLFOX/FOLFIRI+アバスチン/アービタックス)のどちらがPFSに優越性があるのかを検証した試験の結果です。

マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)を示す再発難治性大腸がん患者は大腸がん患者全体の5%存在すると考えられています。

この5%に対して従来通りの標準治療でも良いのか?それともキイトルーダ(ペムブロリズマブ)単剤療法の方が優れているのか?その結果が注目です。


この記事に利益相反はありません。

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