目次
- 1 ホジキンリンパ腫とニボルマブ(オプジーボ)について
- 2 ニボルマブ(オプジーボ)の薬剤概要
- 2-1
- 2-2
- 2-3
- 2-4
- 2-5
- 3 ニボルマブ(オプジーボ)の作用機序
- 4 ニボルマブ(オプジーボ)の最新文献
- 5 ニボルマブ(オプジーボ)の口コミ
- 5-1
- 5-2
- 5-3
ホジキンリンパ腫とニボルマブ(オプジーボ)について
2016年12月2日、ニボルマブ(オプジーボ)が再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫の効能追加で国内承認されました。 血液がん初のがん免疫治療薬としてニボルマブ(オプジーボ)への注目が再燃しておりますが、この効能追加は非小細胞肺がんでの効能追加の時ほど騒ぐことではありません。なぜなら、 ホジキンリンパ腫の治療は既に確立している からです。つまり、ニボルマブ(オプジーボ)がホジキンリンパ腫の患者さんに使えるようになっても、その予後に劇的な変化を与える救世主とはなり得ないのです。このポジションには既に ABVD療法 という救世主がいますから。ABVD療法とは、アドリアマイシン、ブロオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジンの4剤の抗がん剤を併用した治療レジメンのことです。 この治療レジメンにより、ホジキンリンパ腫の一次治療の効果は進行状態問わずに奏効率約80%を達成します。つまり、ホジキンリンパ腫の大半の患者さんは一次治療のABVD療法で治るのです。 また、仮に一次治療に失敗しても二次治療の救援化学療法レジメンも確立しており、その奏効率は約70%です。 今回のニボルマブ(オプジーボ)のホジキンリンパ腫への適応が再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫ですので二次治療で投与できなくもないですが、この治療ラインで使うには他の化学療法レジメンと比べて薬価が高額なわりに効果に劇的な違いがありません。Nivolumab is an option for CHL that has relapsed or progressed follwing HDT/ASCR and berntuximab vedotin maintenace therapyまた、上記分はNCCN Guidelineのホジキンリンパ腫からの抜粋になりますが、ニボルマブ(オプジーボ)は大量化学療法とブレンツキシマブベドチン(アドセトリス)後の再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫治療の選択肢と記載されています。 以上のように、血液がん初のがん免疫療法としてニボルマブ(オプジーボ)は注目されていますが、その注目度の割には臨床で使わる場面が少ないのです。
ニボルマブ(オプジーボ)の薬剤概要
製品名
オプジーボ一般名
ニボルマブ用法用量
通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1 回 3mg/kg(体重)を 2 週間間隔で点滴静注する。効果効能
再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫主な副作用
発熱、そう痒症、発疹、甲状腺機能低下症、疲労、倦怠感、筋肉痛ニボルマブ(オプジーボ)の作用機序
ニボルマブは、ヒトPD-1に対する抗体であり、PD-1とそのリガンドであるPD-L1及びPD-L2との結合を阻害し、がん抗原特異的なT細胞の増殖、活性化及び細胞傷害活性の増強等により、腫瘍増殖を抑制すると考えられるニボルマブ(オプジーボ)の最新文献
・2015年1月28日 PD-1 Blockade with Nivolumab in Relapsed or Refractory Hodgkin's Lymphomaニボルマブ(オプジーボ)の口コミ
医師のコメント
Hot off the press - phase II of #nivolumab in 80 pts post ASCT and BV. Near 70% ORR. Impressive PFS curve. #Hodgkinhttps://t.co/4Neui3Stfb
— Graham Collins (@graham74GC) 2016年7月21日
Is nivolumab an option for Hodgkin's lymphoma? - The Lancet Oncology https://t.co/rHFUMRPJW8
— Anas Younes, M.D. (@DrAnasYounes) 2016年7月21日
ホットストック:小野薬が大幅続伸、血液がん用「オプジーボ」年内にも販売と報道 https://t.co/T6a8PwEES4 @Reuters_co_jpさんから
— 中村 幸嗣 (@yukitsugu1963) 2016年8月24日
ホジキンリンパ腫は90%抗がん剤が効果あるんだけど、どうしても10%は再発難治
それにこれが効く
しかも劇的に!
その他医療関係者のコメント
オプジーボのホジキンリンパ腫への適応は肺がんの時ほど市場へのインパクトはない。国内の悪性リンパ腫の患者はは16000-17000人でその内の5-10%がホジキンリンパ腫。また、一次治療で約80%、二次治療で約70%治る。つまり、どんなに多く見積もっても投与対象は100人ほど。
— どくたあ すまあと (@dr_smarttt) 2016年12月4日
EMA adopts a new indication for #nivolumab for patients with relapsed or refractory classical Hodgkin #lymphoma https://t.co/A2okoX0HSj
— ESMO - Eur. Oncology (@myESMO) 2016年10月19日
FDA grants accelerated approval to nivolumab for treating some patients w/ Hodgkin Lymphoma: https://t.co/ynPQ9acNwD pic.twitter.com/MMSJXFeszW
— National Cancer Inst (@theNCI) 2016年5月22日
小野薬品 オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)が自家造血幹細胞移植(auto-HSCT)および移植後のブレンツキシマブベドチンによる治療後に再発または進行した古典的ホジキンリンパ腫の治療薬としてFDAの承認を取得し、血液分野において初めてのPD-1阻害薬に
— 岡三マン (@okasanman) 2016年5月20日