デキサメタゾン、メルファランしか処方できなった時代もありましたが、再発難治性多発性骨髄腫の新薬は今でも複数あります。

特に、国内では2015年から2017年にかけてポマリドミド、パノビノスタット、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、イキサゾミブ、ダラツムマブなど多発性骨髄腫の新薬が続々と上市されます。

新薬により治療選択肢が増えることは大変喜ばしいことですが、使える新薬があり過ぎて使う新薬を選べないという贅沢な悩みが出てきています。

この悩みが生じている原因は、再発難治性多発性骨髄腫の新薬同士を直接比較した大規模試験の結果が出ていないためです。

カルフィルゾミブ、エロツズマブ、イキサゾミブ、ダラツムマブなどが承認のために実施した大規模試験は、どれもレナリドミド+デキサメタゾン併用療法との直接比較です。

そのため、ここ2、3年で発売された新薬の中でどれが最も優れた多発性骨髄腫の新薬であるか?誰も知らないのです。

しかし、人の命を助ける仕事に従事する医師が知らないでは困りますので、再発難治性多発性骨髄腫における17つの大規模試験・18の治療レジメンを対象としたメタアナリシス解析が実施されました。

Systematic Literature Review and Network Meta-Analysis of Treatment Outcomes in Relapsed and/or Refractory Multiple Myeloma

この試験の結果判ったことは、

ダラツムマブ+レナリドミド+デキサメタゾン

の併用療法が再発難治性の多発性骨髄腫の治療選択肢として最強であるということです。なにをもって最強というかと申しますと、それはPFSのHR(ハザードリスク比)において現時点では最強の成績を出すということです。

JCO

上記は再発難治性多発性骨髄腫の治療レジメンをPFSのHR(ハザードリスク比)が低い順に上から並べていますが、ダラツムマブ+レナリドミド+デキサメタゾン、カルフィルゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン、エロツズマブ+レナリドミド+デキサメタゾンの順にPFSのHRが低いです。

余談になりますが、治療成績が良かった上位3つの治療レジメンの特徴としては、

1.トリプレットレジメン
2.レナリドミド+デキサメタゾン併用

であることです。たしかに、最強レジメンであるダラツムマブ+レナリドミド+デキサメタゾンもレナリドミド+デキサメタゾンにダラツムマブを上乗せした3剤併用療法でした。

以上のように、再発難治性多発性骨髄腫の新薬同士における直接比較した大規模試験はありません。しかし、レナリドミド+デキサメタゾン併用療法をベースレジメンとし、そこにカルフィルゾミブ、エロツズマブ、イキサゾミブ、ダラツムマブなど最近上市された新薬を上乗せする治療レジメンを選択しておくのがスタンダードな治療といえそうです。


この記事に利益相反はありません。

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