非小細胞肺がんの新薬ポテリジオ(モガムリズマブ)の治験を受ける前に知っておきたい7つのこと


  • [公開日]2017.01.01
  • [最終更新日]2019.02.22

非小細胞肺がんの新薬ポテリジオ(モガムリズマブ)とは

オプジーボニボルマブ)、キイトルーダペムブロリズマブ)が2016年に刷新されました肺がん診療ガイドラインの推奨薬剤として掲載されるなど、抗PD-1抗体薬は非小細胞肺がんの標準治療になりつつあります。

そのため、この先非小細胞肺がんの治療成績を劇的に向上する治療方法が開発される場合には、抗PD-1抗体薬と併用する治療薬である可能性が高いです。このプラスαの薬として注目されているのが

ポテリジオ(モガムリズマブ)

です。ポテリジオは肺がんの中で約80%を占める非小細胞肺がん患者に対して抗PD-1抗体薬であるオプジーボとの併用療法が期待されています。他の併用薬よりもポテリジオが期待されているのは抗PD-1抗体薬とは違った作用機序でもってがん免疫を働かせるからです。

がん免疫は複数の免疫細胞が関わっておりますが、大きく分けるとがん細胞を退治する細胞と、がん細胞を助ける細胞の2つに分けられます。がん細胞を退治する細胞はNK(ナチュラルキラー)細胞、樹状細胞、マクロファージ、そしてオプジーボと深い関わりがあるキラーT細胞があります。また、がん細胞を助ける細胞には骨髄由来抑制細胞と制御性T細胞があり、この制御性T細胞をポテリジオが消失させる働きがあるのです。

つまり、がん細胞を退治する細胞を活性化させるオプジーボがん細胞を助ける細胞を退治するモガムリズマブの併用療法は、がん免疫に関わる細胞すべてを標的としているため非常に理にかなった治療方法なのです。

ポテリジオ(モガムリズマブ)の薬剤概要

製品名

ポテリジオ

一般名

モガムリズマブ(Mogamulizumab)

用法用量

未定(モガムリズマブとして1 回0.1mg/kg 、0.5mg/kg 、1.0mg/kgを1週間間隔で8回点滴静注する)

効能効果

未定(再発難治性のCCR4陽性の非小細胞肺がん)

主な副作用

リンパ球減少、Infusion reaction、発熱、白血球減少、好中球減少、血小板減少、悪寒、ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、Al-P上昇、発疹、LDH上昇、頻脈、悪心、血中アルブミン減少、ヘモグロビン減少、血圧上昇、血中リン減少、低酸素血症、そう痒症、鼻咽頭炎、低アルブミン血症

製造承認日

2012年5月

ポテリジオ(モガムリズマブ)の作用機序

ポテリジオは腫瘍細胞に発現しているCCR4に特異的に結合し、ADCC(抗体依存性細胞傷害)活性により抗腫瘍効果を示す

ポテリジオ(モガムリズマブ)の最新情報

1)Phase Ia Study of FoxP3+ CD4 Treg Depletion by Infusion of a Humanized Anti-CCR4 Antibody, KW-0761, in Cancer Patients

概要

再発難治性の非小細胞肺がん肺がん患者に対してポテリジオ(モガムリズマブ)を投与し、制御性T細胞の消失を検証した試験。

出典

Clinical Cancer Research

配信日

2015年10月1日

ポテリジオ(モガムリズマブ)の口コミ

医師のコメント

その他医療関係者のコメント

ポテリジオ(モガムリズマブ)の治験情報

Study of Combination Therapy With Mogamulizumab (KW-0761) and Nivolumab (ONO-4538/BMS-936558) in Subjects With Advanced Solid Tumors

概要

再発難治性固形がん患者さんに対して、モガムリズマブとニボルマブの併用療法を投与して、その安全性忍容性、そして最大容量を検証するための治験

期限

2017年10月

参照
1)協和発酵キリン株式会社プレスリリース
2)肺がん診療ガイドライン

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