目次
- 1出生数の減少、死亡数は増加
- 2死亡の動態事象
- 2-1
- 2-2
- 3増え続ける死因-悪性腫瘍(がん)
- 3-1
この記事の3つのポイント
・厚生労働省が人口動態調査を目的に、2017年の統計を発表
・出生率は減少、死亡率は増加の傾向にある
・死亡原因の1位であるがんは、年齢が高くなるほどその割合も高くなっている
厚生労働省は、平成29年人口動態統計月報年計(概数)の結果を取りまとめ、それを公表した。
人口動態調査は、出生、死亡、婚姻、離婚及び死産の人口動態事象を把握し、人口及び厚生労働行政施策の基礎資料を得ることを目的としている。
今回取りまとめた結果は、平成29年に日本において発生した日本人の事象を集計した。
出生数の減少、死亡数は増加
出生数は94 万 6060人で、前年の97 万 6978人より3 万 918 人減少し、出生率(人口千対)は 7.6 で前年の7.8 より低下した。 出生数を母の年齢(5歳階級)別にみると、45 歳以上では前年より増加しているが、44 歳以下の各階級では前年より減少している。 また、出生順位別にみると、すべての出生順位で前年より減少した。 一方、死亡数は134 万 433 人で、前年の130 万 7748人より3 万 2685人増加し、死亡率(人口千対)は 10.8で前年の10.5より上昇している。 死因別にみると、死因順位の第1位は悪性新生物(がん)(全死亡者に占める割合は 27.8 %)、第2位は心疾患(高血圧性を除く)(同15.2 %)、第3位は脳血管疾患(同 8.2%)となっており、 死亡者のおよそ3.6 人に1人は悪性新生物(がん)で死亡していた。死亡の動態事象
平成29 年の死亡率(人口千対)は10.8で、前年の10.5より上昇、死亡数の年次推移をみると、昭和50 年代後半から増加傾向となり、平成 15 年に100 万人を超え、平成28 年より130 万人台となっている。 75 歳以上の高齢者の死亡数は、昭和50 年代後半から増加しており、平成 24 年からは全死亡数の7割を超えた。 死亡率(人口10万対)を年齢(5歳階級)別にみると、65~69 歳及び95 歳以上の各年齢階級で前年より上昇している。 死亡率性比(男の死亡率/女の死亡率x100)を年齢(5歳階級)別にみると、全年齢階級で 100 以上となっており、15~29 歳と55~79 歳の各年齢階級では、男の死亡率が女の死亡率の2倍以上という結果となった。死亡原因
平成29 年の死亡数を死因順位別にみると、第1位は悪性新生物(がん)で 37 万 3178人(死亡率(人口10 万対)は299.4、第2位は心疾患(高血圧性を除く)20 万 4203人(同 163.8)、第3位は脳血管疾患10万9844人(同 88.1)、第4位は老衰で、10 万1787人(同 81.7)で上昇傾向である。 性別にみた死因順位別死亡数・死亡率(人口10万対)

年齢別死因
性・年齢(5歳階級)別に主な死因の構成割合をみると、5~9 歳では悪性新生物(がん)及び不慮の事故、10~14 歳では悪性新生物(がん)及び自殺、15~29 歳では自殺及び不慮の事故、30~49 歳の各階級では悪性新生物(がん)及び自殺がそれぞれ増加した。 年齢が高くなるにしたがって、悪性新生物(がん)の占める割合が高くなり、男では 65~69 歳、女では 55~59 歳がピークとなっている。 性・年齢階級別にみた主な死因の構成割合(平成29 年)
増え続ける死因-悪性腫瘍(がん)
一貫して増加している悪性新生物(がん)の死因は、高齢化に伴い圧倒的に割合が高くなってきている。部位別にみた悪性新生物(がん)
悪性新生物(がん)の主な部位別に死亡率(人口10万対)をみると、男性では「肺」がもっとも高く、平成5年以降第1位となり、平成29年の死亡数は5万2985人、死亡率は87.3となっている。 悪性新生物(がん)の主な部位別にみた死亡数・死亡率(人口10万対)
