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リムパーザのOlympia試験の成功は乳がんでの処方を拡大する可能性Evaluate Vantage(2021.02.17)より


  • [公開日]2021.03.03
  • [最終更新日]2021.03.03

※本記事はEvaluate社の許可のもと、オンコロが翻訳したものです。内容および解釈については英語の原文を優先します。正確な内容については原文をお読みください。

 

このPARP阻害剤は、アジュバント療法で予想外の臨床的な成功を記録したが、より説得力のあるデータが必要とされるかもしれない。

あまり注目されていない早期の乳がんを対象とした臨床試験での予想外の成功によって、英アストラゼネカ社/米メルク社のリムパーザ(一般名:オラパリブ)はPARP阻害剤のライバル、特に米ファイザー社のタルゼンナ(一般名:タラゾパリブ)(乳がんで既に適応を有する唯一のPARP阻害剤)に対して優位に立つ可能性がある。

Olympia試験は、リムパーザとプラセボを比較したアジュバント(術後補助療法)の試験である。この試験はデザインを見直した後に延期され、一部のアナリストはPARP阻害剤に対して十分に感受性の高い患者が組み入れられていないと示唆していたものの、本日(2月17日)有効性を理由に早期に試験が中止された。

同試験の中間解析は、主要評価項目である無病生存期間DFS)の有意性の閾値を越えたことが示されたため、今後は全データの解析が行われる予定である。

しかし、Olympia試験に関するアストラゼネカ社の声明では、リムパーザの効果は臨床的に関連しているとしながらも、規制当局への申請計画については慎重に言及を避けている。リムパーザの効果が副次的評価項目の全生存率に影響を与えるかどうかは予測困難であるため、より強固なデータが得られるまでには数年の追跡調査が必要となるだろう。

とは言え、兆候は良好である。もちろんリムパーザは、転移性乳がんで成功した初のPARP阻害剤であり、2017年のOlympiad試験の成功は、1年後のBRCA変異陽性HER2陰性の生殖細胞系列疾患における化学療法後の使用が米国で承認されることにつながった。類似の適応疾患を持つ他のPARP阻害剤はタルゼンナのみであり、同剤はEmbraca試験の結果に基づき、2018年後半に承認された。

しかし、おそらく驚くべきことに、PARP阻害剤は乳がんを対象としたさらなる適応拡大に苦戦している。転移性乳がんを対象とした試験では、英アッヴィ社のベリパリブはBrocade-3試験が失望に終わり、現在販売を中止している仏サノフィ社のイニパリブは第3相試験で失敗し、後に真のPARP阻害剤ではないとみなされた。

タルゼンナは小規模な第1相ネオアジュバント(術前補助化学療法)試験で有効性を示したにもかかわらず、ファイザー社は戦略の変更を理由に第2相のネオアジュバント試験を中止した。現在進行中の周術期を対象とした試験のほとんどはネオアジュバントに関する試験であり、同社がスポンサーとなっているわけではない。

このことは、アストラゼネカ社のOlympia試験の成功をより顕著なものにしている。同試験は、実際にはトリプルネガティブの乳がん患者のみを登録していたが、後にエストロゲン受容体(ER)陽性HER2陰性の患者も含めるように拡大された。

特に米金融サービス・ジェフリーズ社のアナリストは以前、高リスクの特徴を持つER陽性患者の多くはネオアジュバント化学療法後に残存病変を有するため、PARP阻害剤に対する感受性が不十分である可能性があると記していたため、どのサブグループがこの効果を享受したかを確認すのは興味深いことだろう。

アナリストたちはまた、より強固なデータがなければ、転移性乳がんを対象としたOlympiad試験やEmbraca試験における無増悪生存期間PFS)の結果が全生存期間OS)の結果に結びつかなかったことを知る医師は、乳がんにおける補助療法としてのPARP阻害剤の処方に消極的になる可能性があると警告している。

しかし、周術期の乳がん治療には大きなチャンスがある。Evaluate Pharma社の適応症別売上予測では、リムパーザの2026年のコンセンサス売上予測46億ドルのうち乳がんは10%に過ぎないとしているが、この予測では転移性乳がんに対する2次治療以降の適応のみを考慮している可能性が高い。

ジェフリーズ社は、補助療法の機会は一次治療での処方よりも3倍大きいと考えている。アストラゼネカ社はまだ多くのデータを必要とするかもしれないが、競争相手はまだ初期のアカデミアの臨床試験中であることから、少なくとも幸先の良いスタートを切ったと言える。

■出典
Lynparza’s Olympia win could broaden breast cancer use

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