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化学療法未治療のIV期扁平上皮非小細胞肺癌患者を対象に,MPDL3280A(抗PD-L1抗体)とカルボプラチン + パクリタキセルの併用若しくはMPDL3280Aとカルボプラチン + nabパクリタキセルの併用の有効性及び安全性をカルボプラチン + nabパクリタキセルと比較する第III相非盲検多施設共同ランダム化試験(Impower131)
対象がん種 | 扁平上皮非小細胞肺がん |
フェーズ | P3 |
実施期間 | 2015年6月~2023年2月 |
実施国 | 日本、アメリカ、アルジェリア、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、ブルガリア、カナダ、チリ、フランス、ドイツ、イスラエル、イタリア、ラトビア、リトアニア、メキシコ、オランダ、ペルー、ポルトガル、ロシア、シンガポール、チェコ、スペイン、スイス、台湾、ウクライナ |
目標症例 | 1200 |
状況 | 募集中 |
手法 | 無作為化、非盲検 |
被験薬名 | MPDL3280A (一般名:アテゾリズマブ、 商品名:-----) |
種類 | 免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-L1抗体) |
投与経路 | 静脈内投与 |
試験概要
<専門的な説明>
この非盲検ランダム化試験は、化学療法未治療のIV扁平上皮NSCLC患者を対象として、MPDL3280Aをカルボプラチン+パクリタキセル若しくはカルボプラチン+nabパクリタキセルと併用したときの安全性と有効性をカルボプラチン+nabパクリタキセルと比較する。<一般的な説明>
薬剤療法を受けていないステージ4の扁平上皮非小細胞肺がん(Sq-NSCLC)患者に、抗PD-L1抗体であるアテゾリズマブ(MPDL3280A)を「カルボプラチン(パラプラチン)+パクリタキセル(タキソール)」若しくは「カルボプラチン+nabパクリタキセル(アブラキサン)」のどちらかと併用したときの安全性と有効性を「カルボプラチン+nabパクリタキセル」と比較する試験です。治験薬剤の説明
<専門的な説明>
MPDL3280A(抗PDL1抗体/RG7446)は、PD-L1と呼ばれるタンパク質を阻害するように設計された現在開発中のモノクローナル抗体です。MPDL3280Aは、腫瘍細胞および腫瘍浸潤免疫細胞上に発現しているPD-L1を標的とし、T細胞表面上のPD-1およびB7.1との結合を阻害するように設計されています。MPDL3280AによるPD-L1阻害により、T細胞が活性化されることで、腫瘍細胞を効率的に検出し攻撃する能力を取り戻すことが可能となります。 中外製薬プレスリリースより(http://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20150206150000.html)<一般的な説明>
通常、細菌等の異物が体内に認められたときに免疫細胞が攻撃します。一方、がん細胞は免疫細胞から異物と認められないような機能を有しますが、その時にPD-L1というたんぱく質がかかわっています。MPDL3280Aはその機能を無効にできると期待されています。結果、がん細胞を異物であると認識することができるようになります。がん細胞を異物と認識できるようになると、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようになります。主な参加条件等
この試験の対象となりうる方
- 18歳以上の方
- 主要臓器の機能が保たれている方
- ステージ4の扁平上皮非小細胞肺がんで薬剤療法を受けていない方
- 腫瘍組織から採取した腫瘍組織検体を提出できる方
- RECISTという指標にて測定可能病変がある方
- ECOG PSが0~1の方
この試験の対象とならない方
- 脳転移があり治療を受けていない方
- 最近5年間に他の悪性腫瘍(がん)の既往歴がある方
- 妊娠中又は授乳中の女性
- 自己免疫疾患の既往歴がある方
- 特発性肺線維症,器質化肺炎,薬物誘発性肺臓炎,特発性肺臓炎の既往歴,又はスクリーニング時の胸部CTによる活動性肺臓炎の所見がある方
- HIV検査で陽性の方
- 活動性B型肝炎又はC型肝炎の方
- CD137アゴニスト,他の免疫チェックポイント阻害剤,抗PD-1抗体,抗PD-L1抗体の投与歴がある方
- 4週間以内に高度感染症に罹患した方
- 重大な心血管系疾患をもっている方