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EGFR変異陽性進行非小細胞肺がんに対する皮下注製剤リブロファズと静注製剤ライブリバントの比較:日本人サブグループ解析 JSMO2026
[公開日] 2026.04.28[最終更新日] 2026.04.28
3月26日~28日、第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO 2026)がパシフィコ横浜で開催された。「Presidential Session 3」において、「EGFR変異陽性進行非小細胞肺癌に対するラゼルチニブ併用療法におけるアミバンタマブの皮下投与と静脈注射の比較:PALOMA-3日本人サブセット解析」と題して田宮基裕先生(大阪国際がんセンター呼吸器内科副部長)が発表した。
PALOMA-3試験は、EGFR変異陽性(Exon 19 deletion/L858R)の進行非小細胞肺がんを対象に、静注製剤であるライブリバント(一般名:アミバンタマブ)++ラズクルーズ(一般名:ラゼルチニブ)と、皮下注製剤であるリブロファズ(一般名:アミバンタマブ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ)+ラズクルーズを比較した第3相試験。既に全体解析において、静脈投与に対する皮下投与の効果の非劣性が示されており、さらに皮下投与の方が輸注関連反応(IRR)と静脈血栓塞栓症(VTE)の発現率を軽減できることが示されていた。今回は、同試験の日本人集団における有効性および安全性の結果が報告された。
同試験の対象は、プラチナ製剤ベースの化学療法の治療歴があるEGFR変異陽性の進行非小細胞肺がん。全体集団418例のうち日本人は56例(皮下注群:26例、静注群:30例)が登録された。日本人集団の特徴としては、ECOG PS0の症例が皮下注群で62%に対して静注群で27%、脳転移症例が皮下注群で46%に対して静注群で23%であり、その他の項目については、両群で大きなばらつきは認められなかった。
薬物動態プロファイルについて、主要評価項目であるトラフ濃度(薬を反復投与したときの定常状態における最低血中濃度)および血中濃度時間曲線下面積(AUC)のいずれにおいても、日本人集団はその他の集団と類似の傾向を示した。
効果発現までの期間の中央値は、両群ともに1.5カ月であった。日本人集団における確定奏効率(cORR)は、皮下注群で35%に対して静注群で30%であった。また効果が認められた患者全員において、データカットオフ時点で病勢進行または死亡のイベントは発生していなかった。
無増悪生存期間(PFS)の中央値は、皮下注群で未到達に対して静注群で4.5カ月であった(ハザード比:0.44、95%信頼区間:0.18-1.10)。またOS中央値は、皮下注群で未到達に対して静注群で8.8カ月であった(ハザード比:0.14、95%信頼区間:0.02-1.17)。
安全性に関しては、グレード3以上の有害事象は、皮下注群で42%に対して静注群で70%に発現し、皮下注群で肺臓炎による死亡が1例認められた。治療中止に至った有害事象は、皮下注群で15%に対して静注群で20%であった。皮下注群における主な有害事象は、ざ瘡様皮膚炎(73%)、低アルブミン血症(69%)、爪囲炎(69%)、一方の静注群では、低アルブミン血症(63%)、IRR(60%)、爪囲炎(53%)であった。
輸注関連反応(IRR)は、皮下注群で15%、静注群で60%に発生した。また発生までの時間の中央値は、皮下注群で1051分に対して静注群で50分、またIRRの持続期間の中央値は、それぞれ139分と90分であった。
静脈血栓塞栓症(VTE)は、皮下注群で12%に対して静注群で17%に発生し、重篤なものはそれぞれ4%と7%であった。皮下注群におけるVTEは、抗凝固薬の予防的投与を受けた患者では発現は認められなかった。
長らくタグリッソ(一般名:オシメルチニブ)単剤が標準療法とされてきたEGFR変異陽性進行非小細胞肺がんの治療だが、最近になってタグリッソ+化学療法、およびライブリバントまたはリブロファズ+ラズクルーズという新しい標準治療が加わった。この流れを受け、同セッションのディスカッションの中では、タグリッソ+化学療法(カルボプラチン+ペメトレキセド)とリブロファズ+ラズクルーズを比較する第3相試験(JCOG2507試験)が近々開始予定であることが紹介された。同試験においては、両レジメンの効果の予測や予後に関連したバイオマーカー解析も予定されており、更なる予後の改善に向けた研究が進むことが期待される。
関連リンク:
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