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小細胞肺がんに対するイムデトラ、発熱パターンと効果の関連:適切なマネジメントを目指して 第23回日本臨床腫瘍学会学術集会より
[公開日] 2026.04.06[最終更新日] 2026.04.03
3月26日~28日、第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO 2026)がパシフィコ横浜で開催された。「Mini Oral Session27」のセッションにおいて、「小細胞肺癌におけるタルラタマブ開始後のCRSに伴う発熱の発症時期とマネジメント」と題して山口央先生(埼玉医科大学国際医療センター呼吸器内科)が発表した。
がん化学療法後に増悪した小細胞肺がんを対象に、2025年に日本においても承認を取得したBiTE抗体薬イムデトラ(一般名:タルラタマブ)は、高い効果が期待される一方で、免疫活性化に伴う有害事象としてサイトカイン放出症候群(CRS)による発熱の頻度が高いことが報告されている。一部の患者で重症化することが知られており、その適切な管理方法および治療効果の予測マーカーの確立が求められている。
このような背景の中、埼玉医科大学国際医療センターでは、イムデトラによる治療を受けた患者25例を対象とし、発熱のタイミング(Onset)、持続時間(Duration)、および最高体温と、腫瘍縮小効果の関連を統計学的に解析した。
発熱と効果の相関については、投与1回目と投与2回目の両方で発熱を認めた症例では、認めなかった症例と比較して、腫瘍が縮小する割合(特に部分奏効率)が有意に高いことが示された(p = 0.011)。特に、腫瘍の良好な縮小効果の達成には、最高体温や総有熱期間ではなく、いつ熱が出たか(発熱のタイミング)が重要であることが示唆された。
また発熱の特徴としては、2回目の投与時における発熱は、1回目の投与時と比較して発症時間が有意に遅延していた(中央値:25.2時間 vs 13.7時間、p = 0.005)。また、2回目の投与後の発熱は、1回目の投与後に比べると早く解熱することが分かった。
最後に、発熱後に早期にグルココルチコイド(ステロイド)介入を行う施設独自のプロトコル(発熱が37.5度以上ある場合はヒドロコルチゾン100mg単回投与→6時間の発熱継続または再燃の場合はデキサメタゾン9.9mg原則単回投与)により、抗腫瘍効果を損なうことなく安全に投与を継続できることを示した。
今回の結果を受けて山口先生は、投与後の発熱パターンを観察することで、早期に治療効果を予測し、個々の患者に合わせた治療戦略を立てることが可能になる、と結論付けた。さらに、慎重に観察すべき期間を「イムデトラ投与後72時間」とすることで、安全な入院管理および外来治療への円滑な移行が可能になることを提案した。「本日(27日)、イムデトラの2次治療としての適応拡大が承認されました。標準化されたプロトコルにより安全な管理を行うことで、多くの小細胞肺がん患者さんにこの有望な治療を届けることができると期待しています」(山口先生)
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