• 検索
  • 相談
  • お知らせ
  • メニュー
  • がん種
  • 特集
  • 治験
  • リサーチ
  • イベント
  • 体験談
  • 患者会
  • 辞典
  • お役立ち

PD-L1陰性非小細胞肺がんに対するオプジーボ+ヤーボイ併用療法:CheckMate 227試験とCheckMate 9LA試験の日本人統合サブ解析 第22回日本臨床腫瘍学会学術集会より

[公開日] 2025.03.19[最終更新日] 2025.03.14

3月6日~8日、第22回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO 2025)が神戸コンベンションセンターで開催された。「Oral Session 12:呼吸器2」のセッションでは、「日本人の転移性NSCLC患者におけるニボルマブ+イピリムマブ併用療法の効果(PD-L1 <1%):CheckMate 227&9LA 統合解析」と題して西尾誠人先生(がん研究会有明病院)が発表した。 この発表は、CheckMate 227試験およびCheckMate 9LA試験において、腫瘍のPD-L1発現が1%未満の転移性非小細胞肺がん(NSCLC)を対象に、初回治療としてのオプジーボ(一般名:ニボルマブ)+ヤーボイ(一般名:イピリムマブ)±化学療法群と、化学療法群(4サイクル以下)の成績をそれぞれ統合解析により評価したもの。今回は、日本人症例を対象に、追跡期間中央値76.1ヶ月(57.3-85.1ヵ月)時点での全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性は腫瘍PD-L1が1%未満の症例で解析された。 2試験の統合後、オプジーボ+ヤーボイ±化学療法群には34例(化学療法なし, n=25; 化学療法あり, n=9)、化学療法群には41例の日本人が組み入れられていた。投与サイクルの中央値(オプジーボ8サイクル、ヤーボイ4サイクル)は全体集団と日本人集団で同等であった。 オプジーボ+ヤーボイ±化学療法群と化学療法群のOSの中央値は41.0ヵ月(95%信頼区間:19.4ヵ月-未到達)vs 15.2ヵ月(95%信頼区間:7.6-21.3ヵ月)であり、ハザード比は0.46(95%信頼区間:0.27-0.78)、5年OS率は38% vs 16%であった。PFSの中央値は、オプジーボ+ヤーボイ±化学療法群と化学療法群で8.2ヶ月(95%信頼区間:4.1-19.3ヶ月)vs 5.6ヶ月(95%信頼区間:4.2-7.0ヶ月)であり、ハザード比は0.57(95%信頼区間:0.31-1.03)、また5年PFS率は8% vs 0%であった。またORRはそれぞれ35% vs 32%、DORの中央値はそれぞれ16.6ヶ月(95%信頼区間:7.2-51.1ヶ月) vs 3.0ヶ月(95%信頼区間:2.8-5.3ヶ月)であった。 安全性に関しては、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)が32人(94%)に、グレード3以上では14人(41%)に発現が認められた。またオプジーボ+ヤーボイ±化学療法群において1例(3%)死亡が認められた。 同解析から、オプジーボ+ヤーボイ併用療法による長期生存メリットや効果の持続が認められ、PD-L1症例の初回治療として重要な選択肢となることが支持された。 また有害事象に関して、既報のJCOG2007(NIPPON試験)では7.5%で治療関連死が認められたが、一方のLIGHT-NING試験では、治療関連死がオプジーボ+ヤーボイ+化学療法群で3.6%、オプジーボ+ヤーボイ群では3.2%に発現しており、今回の解析と同等の結果を示した。これらの結果の違いは、患者背景等の因子を含め、今後も議論されるところとなりそうだ。 関連リンク: 第22回日本臨床腫瘍学会学術集会
ニュース 肺がん イピリムマブオプジーボニボルマブヤーボイ免疫チェックポイント阻害薬非小細胞肺がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

治験・臨床試験

一覧を見る

リサーチ・調査

一覧を見る

ニュース

一覧を見る

イベント

一覧を見る

患者会

一覧を見る

電話受付:平日(月〜金)10:00-18:00