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多発性骨髄腫の新薬イサツキシマブの治験を受ける前に知っておきたい7つのこと

[公開日] 2017.06.05[最終更新日] 2024.10.02

多発性骨髄腫の新薬イサツキシマブについて

多発性骨髄腫の治療はベルケイド、レブラミド、サレドなどの新薬が発売した2000年代前半を機に、その治療成績は劇的に変化しました。新薬が出る前の多発性骨髄腫のOS(全生存期間)は3年前後でしたが、新薬が出た後は5年前後になりました。 しかし、新薬が出た現在も多発性骨髄腫が不治の病であることに変わりはありません。そのため、多発性骨髄腫の治療目標は「治癒」でなく「延命」です。 延命を治療目標とする多発性骨髄腫だけに、治療薬には有効性と同じくらい安全性、利便性が重視されます。なぜなら、どんなに有効性が高い薬であっても多発性骨髄腫を治ることができないのであれば、副作用が少ない薬、注射でなく経口投与が可能な薬で治療する方が生活のQOLが向上するからです。 そのため、多発性骨髄腫の現在の治療にはレブラミドなどの経口薬は臨床ではよく使われています。レブラミドは他の薬剤と比較して有効性も劣らず、経口のために通院する頻度が減り、患者の負担の軽減につながるからです。このように多発性骨髄腫は経口薬で治療するのが標準治療になりつつありますが、抗モノクローナル抗体である イサツキシマブ の登場により、再び注射薬での治療が標準になる可能性があります。なぜなら、イサツキシマブのような抗モノクローナル抗体はCR(完全奏功)を達成できる可能性が他の薬剤に比べて高いからです。 もちろん、高いといっても全ての患者がCR(完全奏功)を達成できるわけではありません。しかし、多発性骨髄腫の治療でCR(完全奏功)を達成することはOS(全生存期間)の延長につながる可能性が示唆されておりますので、CR(完全奏功)を狙えるなら狙いたい!というのが医療従事者の本望だからです。

イサツキシマブの薬剤概要

製品名

未定

一般名

イサツキシマブ(isatuximab)

用法用量

未定(イサツキシマブとして10mg/kgを1、8、15、22日目に静脈投与し、6日間休薬をする。これを1サイクルとして投与を繰り返す。)

効能効果

未定(再発難治性の多発性骨髄腫)

主な副作用

未定(注射関連反応、貧血、血小板減少症、好中球減少症、倦怠感、下痢、吐き気)

製造承認日

未定

イサツキシマブの作用機序

抗CD38モノクローナル抗体

イサツキシマブの最新文献

1)A Phase 1b study of isatuximab plus lenalidomide and dexamethasone for relapsed/refractory multiple myeloma.

文献の概要

再発難治性の多発性骨髄腫患者57人に対してIRd(イサツキシマブ+レナリドミド+デキサメタゾン)療法を投与し、その最大耐量量(MTD)など忍容性を検証した試験。結果は、イサツキシマブ関連の副作用としては注射部位反応は56%と、約半数以上の患者に発症することがわかった。

文献の出典

Blood

文献の発刊日

2017年3月21日

イサツキシマブの口コミ

医師のコメント

その他医療関係者のコメント

https://twitter.com/OncLive/status/754753852130357248

イサツキシマブの治験情報

1)Multinational Clinical Study Comparing Isatuximab, Pomalidomide, and Dexamethasone to Pomalidomide and Dexamethasone in Refractory or Relapsed and Refractory Multiple Myeloma Patients (ICARIA-MM)

治験の概要

再発難治性の多発性骨髄腫患者に対して、IPd(イサツキシマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン)療法を投与する郡、Pd(ポマリドミド+デキサメタゾン)療法を投与する郡に分けて、PFSを比較検証した治験。

治験の期限

2018年3月 参照 1)サノフィ株式会社プレスリリース 2)造血器腫瘍診療ガイドライン
ニュース 多発性骨髄腫 イサツキシマブ

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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