BRAF遺伝子変異陽性大腸癌の新薬エンコラフェニブについて

大腸癌の分子標的治療薬の効果予測因子としてはEGFR遺伝子、RAS遺伝子、VEGF(血管内皮細胞成長因子) 、そしてBRAF遺伝子等があります。

BRAF遺伝子変異は全ての大腸癌の5%から10%の人に見られ、BRAF遺伝子変異を持つ人は持たない人に比べて予後が悪いことがわかっています。

そのため、BRAF遺伝子変異陽性大腸癌患者に対して有効性のある治療方法の確立が期待されており、昨年2016年に改定になった『大腸癌ガイドライン2016』になり漸く、FOLFOXIRI+アバスチン(ベバシズマブ)の治療レジメンがBRAF遺伝子変異のある大腸癌患者に有効であることが示唆されました。

しかし、FOLFOXIRI+アバスチン(ベバシズマブ)はイリノテカン、オキサリプラチンという殺細胞性の抗癌剤を同時に2剤使う治療レジメンのため骨髄抑制、下痢などの強い副作用が懸念され、限られた患者にしか投与できません。

そのため、FOLFOXIRI+アバスチン(ベバシズマブ)以外の新しい治療方法であるBRAF阻害剤

エンコラフェニブ

と抗EGFR治療薬アービタックス(セツキシマブ)を併用した治療レジメンの有効性の確立が期待されているのです。

エンコラフェニブの添付文書情報(仮)

製品名

未定

一般名

エンコラフェニブ(encorafenib)

用法用量

未定(エンコラフェニブとして1回300mgを1日1回経口投与する)

効能効果

未定(BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な大腸癌)

主な副作用

未定(脱毛、発疹、発熱、網膜色素上皮剥離)

製造承認日

未定

エンコラフェニブの作用機序

エンコラフェニブはBRAFキナーゼ活性を阻害することで抗腫瘍効果を発揮します。

エンコラフェニブの最新文献

1)A Phase 1b Dose-Escalation Study of Encorafenib (LGX818) and Cetuximab With or Without Alpelisib in Metastatic BRAF-Mutant Colorectal Cancer

文献の概要

BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な大腸癌患者に対してエンコラフェニブ+アービタックス(セツキシマブ)併用療法にアルペリシブを上乗せする群としない群に分けて、最大耐用量を検証した試験。試験の結果、第二相試験のエンコラフェニブは200mgとして設定された。

文献の出典

Cancer Discovery

文献の発刊日

2017年1月

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エンコラフェニブの治験情報

1)Study of Encorafenib + Cetuximab Plus or Minus Binimetinib vs. Irinotecan/Cetuximab or Infusional 5-Fluorouracil (5-FU)/Folinic Acid (FA)/Irinotecan (FOLFIRI)/Cetuximab With a Safety Lead-in of Encorafenib + Binimetinib + Cetuximab in Patients With BRAF V600E-mutant Metastatic Colorectal Cancer (BEACON CRC)

治験の概要

前治療として1つまたは2つの治療レジメンが投与されたBRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な大腸癌患者に対して、エンコラフェニブ+アービタックス(セツキシマブ)併用療法、エンコラフェニブ+アービタックス(セツキシマブ)+ビニメチニブ併用療法、アービタックス(セツキシマブ)+FOLFIRI(もしくはイリノテカン)併用療法の3つの群にわけて、OS(全生存期間)をはじめ有害事象発症率などを比較検証する治験

治験の期限

2019年7月

参考資料

1)アレイ・バイオファーマプレスリリース
2)小野薬品工業株式会社プレスリリース
3)大腸癌治療ガイドライン


この記事に利益相反はありません。

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