目次
- 1 エンプリシティ(エロツズマブ)の作用機序
- 2 エンプリシティ(エロツズマブ)の効能効果
- 3 エンプリシティ(エロツズマブ)の治療レジメン
- 4 エンプリシティ(エロツズマブ)の製品情報
- 4-1
- 4-2
- 4-3
- 4-4
- 4-5
- 4-6
- 5 エンプリシティの最新文献
- 6 エンプリシティの口コミ
- 6-1
- 6-2
- 7 参照資料
エンプリシティ(エロツズマブ)の作用機序
1つ目は、薬の標的が異なる点です。オプジーボもエンプリシティ(エロツズマブ)も体内にもともと備わっている抗体を利用した医薬品としては共通していますが、標的となるたんぱく質が異なります。 オプジーボはPD-1ですが、エンプリシティ(エロツズマブ)はCS-1/SLAMF7という、なんだか長ったらしいたんぱく質を標的としております。エンプリシティ(エロツズマブ)の効能効果
2つ目は、薬の適応です。当然ですが、標的が異なるので適応となる癌腫も違います。 オプジーボは悪性黒色腫、非小細胞肺癌などの細胞にできる固形癌に効果がありますが、エンプリシティ(エロツズマブ)は多発性骨髄腫という血液の癌にのみ効果があります。エンプリシティ(エロツズマブ)の治療レジメン
3つ目は、1剤だけで済まない点です。オプジーボは単剤のみで腫瘍効果があるのに対して、エンプリシティ(エロツズマブ)は1剤では効果がありません。 そのため、薬が承認された時の要件としてレナリドミド+デキサメタゾンとの併用療法が条件に課されています。 以上のように、がん免疫療法薬と聞くと夢の薬が多発性骨髄腫にもついに登場したかと勘違いしてしまう人もいますが、エンプリシティ(エロツズマブ)はオプジーボとは全く別物のがん免疫療法薬です。 多発性骨髄腫を治療する薬の中では、これまでになかった作用機序の薬剤としては目新しく、効果も既存治療より優れます。 しかし、オプジーボ並みに既存治療をはるかに上回る成績を残したわけではありません。 つまり、同じがん免疫療法であってもパラダイムシフトを起こすがん免疫療法と、そうでないがん免疫療法があるということです。エンプリシティ(エロツズマブ)の製品情報
製品名
エンプリシティ一般名
エロツズマブ作用機序
エロツズマブは骨髄腫細胞膜上のSLAMF7に結合し,Fc受容体を介したナチュラルキラー(NK)細胞との相互作用により抗体依存性細胞傷害(ADCC)を誘導することにより,腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられる。また,エロツズマブはNK細胞に発現するSLAMF7との結合によりNK細胞を直接活性化する作用を有することが報告されている。用法用量
レナリドミド及びデキサメタゾンとの併用において,通常,成人にはエロツズマブ(遺伝子組換え)として 1 回10mg/kgを点滴静注する。28日間を 1 サイクルとし,最初の 2 サイクルは 1 週間間隔で 4 回( 1 , 8 ,15,22日目), 3 サイクル以降は 2 週間間隔で 2 回( 1 ,15日目)点滴静注する。効果効能
再発又は難治性の多発性骨髄腫主な副作用
疲労、好中球減少、下痢、血小板減少、筋痙縮、不眠症、貧血、便秘、末梢性浮腫、高血糖、発熱、悪心、無力症エンプリシティの最新文献
・2015年11月15日 Elotuzumab in combination with lenalidomide and dexamethasone in patients with relapsed multiple myeloma: final phase 2 results from the randomised, open-label, phase 1b–2 dose-escalation study ・2015年8月13日 Elotuzumab Therapy for Relapsed or Refractory Multiple Myelomaエンプリシティの口コミ
医師のコメント
本当に次から次に出てくる
— 中村 幸嗣 (@yukitsugu1963) 2015年6月9日
ポマリドマイドもそうだし、時間が稼げればまだ生きられる
ただ高い!
多発性骨髄腫、ほかの薬が効きにくいときにエロツズマブ併用で効果向上 http://t.co/4uaLQlICnr
NEJM。「再発または治療抵抗性の多発性骨髄腫に対するエロツズマブ療法」。たぶん米国臨床腫瘍学会と同時発表。昨年から流行りだした手法だなぁ。 http://t.co/DjRCL0ZmET
— 森 勇一 (@ymori117) 2015年6月3日
多発性骨髄腫の抗体医薬に、エロツズマブというのがございまして、日本で発売された暁には、薬品名は可能な限り一般名で呼ぶというポリシーを捨てるべきかどうか、迷っております。
— 森 勇一 (@ymori117) 2014年9月1日
#BMTTandem16 elotuzumab works better with imids rather than proteasome inhibitors. pic.twitter.com/6dJ9RotcUn
— Muthalagu Ramanathan (@MuthalaguMD) 2016年2月19日